Google Cloudは米国時間3月23日、クラウドやオンプレミスのネットワークを管理するための新たなツール「Network Connectivity Center」のプレビュー版を公開したと発表した。このツールは、マルチクラウド戦略やハイブリッドクラウド戦略を採用している企業に向けて同社が提供している製品群の一角をなすものだ。
Network Connectivity Centerを用いることで、オンプレミスやクラウド上の異なるネットワークを1カ所で構成、接続、管理できるようになる。ここでの目的は、組織のアプリケーションが配置されている場所やユーザーの居場所にかかわらず、より容易な形でネットワークに対する一貫性あるアクセスやポリシー、サービスを提供するというものだ。顧客はこのツールを用いることで、仮想私設網(VPN)や、パートナーあるいは専用の相互接続、サードパーティー製ルーター、ソフトウェア定義WAN(SD-WAN)に接続できるようになる。
Network Connectivity Centerによって、VPNベースのマルチクラウド接続が直接、あるいは一連のパートナー経由で提供される。同ツールはGoogleのグローバルインフラ上で稼働するとともに、同社が2019年にネットワークの監視や検証、最適化を目的とするプラットフォームとして発表した「Network Intelligence Center」と連携させることもできる。
さらに、Network Connectivity Centerのロールアウトによって、Cisco Systemsの「Cisco SD-WAN Cloud Hub with Google Cloud」の利用可能性も広がる。2020年に発表された同製品によって、Cisco SD-WANファブリックから「Google Cloud」への統合が拡充され、サイトからクラウドへの、そしてサイトからサイトへの自動化された接続が実現されている。
今回の新たな統合は「Cisco SD-WAN Cloud OnRamp」に基づいたものとなっている。これによりCisco SD-WANのファブリックがパブリッククラウド環境へと拡大される。これは、支店や出張所とクラウドのワークロードを容易に接続できるようにするという考え方に基づいている。
CiscoはGoogleと同様に、マルチクラウド戦略を採用する組織の増加に対応することを目指している。CiscoはGartnerのデータを引用し、今や平均的な企業が20を超えるパブリッククラウドサービスに接続しているとしている。
Ciscoによると、SD-WAN Cloud Hub with Google Cloudの第2段階では、Google Cloud上の全てのマルチクラウドアプリケーションと、リアルタイムにインテリジェントなテレメトリー情報の交換を可能にする予定だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。