調査

デジタル人材に占めるリーダー層は約2%--NTTデータ経営研調べ

ZDNET Japan Staff

2021-03-26 09:31

 NTTデータ経営研究所は、デジタルトランスフォーメーション(DX)人材におけるリーダー人材の志向性を調べた結果を発表した。リーダー人材はDX人材の約2%しかおらず、リーダーの約半数が1年以内の転職を検討しているなどの特性が分かった。

 同社は、DXを推進する組織のトップ(CDO=最高デジタル責任者)のもとで従事する人材を「デジタル人材」とし、デジタル技術に秀でた人材を「デジタルエンジニア」、デジタルエンジニアを率いてDXを推進する人材を「デジタルリーダー」と定義。NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションの登録モニターの20~40代に意識調査を行い、デジタルリーダーの人物像や企業がデジタルリーダーを確保するためのポイントなどを考察した。

デジタル人材の定義(出典:NTTデータ経営研究所)
デジタル人材の定義(出典:NTTデータ経営研究所)

 それによると、回答者が意識するデジタル人材は約9%で、デジタルエンジニアは約6%、デジタルリーダーは約2%しかいなかった。デジタルリーダーはデジタルエンジニアよりも年代が上がるほどボリュームが大きくなり、「DX推進にはけん引する力やビジネスの知見も必要とされるためある程度の社会経験が必要」(同社)という。男性の割合や既婚率がやや高く、首都圏に多いとし、典型的なデジタルリーダーの属性は「首都圏に住む30代後半の既婚男性」と考えられるとしている。

デジタル人材の割合(出典:NTTデータ経営研究所)
デジタル人材の割合(出典:NTTデータ経営研究所)

 また、デジタルリーダーの約85%が転職経験者で、デジタルエンジニアの約1.4倍、一般層の約1.6倍だった。デジタルリーダーの約83%が現在も転職する意向を持ち、約46%は1年以内の転職を考えているという。この割合はデジタルエンジニアの約2倍、一般層の約7倍で、デジタルリーダーの転職流動性は極めて高いという。

 デジタルリーダーの転職理由では、「より高い報酬を得る」「スキルアップの学びができる環境で働く」「能力が高く刺激しあえる人材と働く」「より興味のある分野への挑戦」などが挙がり、デジタルリーダーは、人を重視しチームや組織と成長するチームワーク型、自身のスキルやテーマを深めるようなキャリア志向といった特徴を持つとしている。

デジタル人材の意識(出典:NTTデータ経営研究所)
デジタル人材の意識(出典:NTTデータ経営研究所)

 これらを踏まえ同社は、「企業がデジタルリーダーを確保するには、優秀な人材が集まったチームやプロジェクトへの配属に加え、彼らの知的好奇心を刺激するようなミッションを与え続けることが重要」と解説。採用時に、優秀かつ多様な人材層や先進性、重要性のあるDXプロジェクトであることなどをアピールすべきという。

 採用後もデジタルリーダーの動機や仕事の状況を把握してさらにチャレンジングな課題に取り組めるアサインメントやそれにひもづいたゴールを設定をしていくことが肝要だとし、CDOがデジタルリーダーの知的好奇心を刺激し続けられるかどうかもポイントになるという。

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