なぜ開発者に好まれるのか
Larry McVoy氏がBitKeeper製品の無償提供を中止したとき、Linuxカーネル開発者の多くが同ツールの使用を断念した。これを受けて、Linus Torvalds氏(Linuxカーネルの生みの親)は、パフォーマンス向上という自身の要求を満たす分散システムが必要だと判断した。こうしてオープンソースのGitが誕生し、現在利用できる最も効率的なバージョン管理システムの1つとなった。
開発プロセスにはバージョン管理システムが不可欠だ。このようなシステムがあれば、コードやファイルを任意のバージョンに簡単に戻せるので、以前の状態に確実に戻せるようにするために毎回異なるファイル名で保存する必要がなくなる。開発者はGitを使用することで、共同作業者にコードへのアクセスを簡単に提供することができ、それらの開発者に作業を上書きされてしまうことを心配する必要がない。Gitがなければ、世界中のオープンソース開発者は共同作業に非常に苦労するだろう。
Gitは、開発者による共同作業を再定義した。GitHubとのシームレスな統合を追加すると、Gitは共同作業者にとって不可欠なものになる。
誰が使用すべきなのか
個人から小規模企業や大企業のスタッフまで、さまざまな開発者がGitを利用している。Gitを使用している企業には、Google、Facebook、Apple、Microsoft、NVIDIA、Quara、Twitter、eBay、Intel、GE Aviationなどがあり、これを見れば、Gitが非常に広い範囲で採用されていることが分かる。
Gitは特にオープンソースの分野で人気がある。Gitがなければ、Linuxカーネルの開発をこれほど迅速かつ効率的に進めることはできないだろう。
これらすべてが、ひいては消費者に影響を及ぼす。消費者は、大幅に改善された開発サイクルの恩恵を受けるからだ。
いつリリースされたのか
Linus Torvalds氏は2005年4月3日ごろにGitプロジェクトの開発を開始し、2005年4月6日に初めて同プロジェクトを発表した。Gitは2005年4月7日からセルフホスティングとなった。最初のリリース以来、Gitの開発は着実に進んでいる。現在のバージョンは2.30.1だが、2.22というかなり前のバージョン(2019年6月6日にリリース)が今もサポートされている。
主な競合ツールにはどのようなものがあるのか
Gitと競合するツールはあるが、同じくらい人気があるものは多くない。
- 「Mercurial」
- 「Subversion」
- 「Perforce」
- 「IBM Rational ClearCase」
- 「Fossil」
- 「CVS」
- 「Bazaar」
- 「Plastic SCM」
どうすればインストールして使用できるのか
Gitは標準リポジトリーから任意のLinuxディストリビューションにインストールできる。たとえば、「Ubuntu」では、Gitのインストールを以下の単一のコマンドで処理することが可能だ。
sudo apt install git
macOSおよびWindowsプラットフォームでは、専用のインストールファイル(macOS、Windows)を使用して、ダウンロードとインストールを実行する必要がある。
インストールが完了したら、最初のリポジトリーを作成して、ファイルの追加を開始しよう。ローカルのGitリポジトリーをGitHubリポジトリーに接続すると、公開での共同作業が可能だ。
提供:Git
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。