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ニューノーマル時代における消費者との良好な関係性を築くポイントとは

中村祐介 (Criteo)

2021-04-09 07:00

 コロナ禍での生活が始まって1年が過ぎ、消費者はニューノーマル(新常態)へ適応するため、新しい生活様式や消費行動へシフトしています。世界中で導入されたロックダウン(都市封鎖)、日本で2度にわたり発令された緊急事態宣言を受けて対面でのアクティビティーへの安心感に関しても個人で変化が生じ、消費者は日々の習慣や日用品の入手を続けるために別の選択肢に目を向けるようになりました。

 「利便性を求める消費者」の新しい時代が到来した今、消費者は自分がいる場所からアクセスでき、自分の条件やスケジュールに合わせてくれるブランドを高く評価します。2020年は、配送サービスを活用した食料品店、スポーツジムからアプリや動画によるホームジム、劇場に取って代わった配信サービス、EC(電子商取引)を強化しオムニチャネルの消費者に対応するカーブサイドピックアップ(ネットで注文した商品を実店舗の駐車場で受け取るサービス)が台頭しました。

 日本では緊急事態宣言を受け、小売店や飲食店が時短営業や営業自粛に踏み切ったことにより、ネットショッピングの利用が急増しました。総務省の「家計消費状況調査」によるとネットショッピング利用世帯が、2020年10月には前年同月比8.8ポイント増の50.9%に達しています。

 コロナ禍では、セルフカット(自宅散髪)や料理に関連する動画視聴回数が増加し、このような消費者の行動変容は、今後の業界に変化をもたらします。マーケターはニューノーマル時代において消費者と良好な関係を築き、あらゆる環境でつながるため、在宅と対面でのプレゼンスのバランスに重点を置く必要があります。そのポイントを紹介します。

全ての接点で価値を提供

 今日のマーケターは、ショッピングジャーニーにおいてどのタッチポイントでも消費者にリーチできることは必須ですが、それ以上に、全ての接点で何らかの価値を提供する必要があります。その手段の一つとして、実店舗とオンラインの両方のデータを活用し、消費者がエンゲージするあらゆるチャネル(電子メール、ソーシャルメディア、実店舗など)にわたり、パーソナライズされたシームレスなショッピング体験を提供することが挙げられます。一人一人の買い物客に合わせた一貫性のある体験を創出すれば、消費者のショッピング環境を問わず、消費者がいる場所からアクセスでき、必要な商品を容易に入手できるといった意欲的な企業の姿勢を示すことができます。

自社のオプションを強調

 2020年は、ECの急増によってサプライチェーンに問題が生じ、それが在庫切れや納期の遅れにつながりました。これに対して消費者は、ブランドへのロイヤルティーを捨て、即座に入手可能な別のブランドに乗り換えました。ロイヤルティーは誰が勝ち取るか分からないため、マーケターは、消費者の居場所からブランドにアクセスできる方法を伝え、需要を満たせるようにすべきです。オンライン購入、店舗での受け取り、割引料金での急ぎの配送など、いずれのオプションでも、消費者は自分のニーズに合わせて欲しいものを可能な限り入手しやすくしてくれるブランドや小売業者に関心を寄せます。

顧客中心主義

 消費者は自粛期間中に、オンライン食料品店やなじみのブランドのオンラインショップなどから新しいお気に入りを見つけました。Criteoのデータによれば、そうした消費者の63%は、商品や体験に満足すれば、今後もそれらを利用し続けると回答しています。消費者が競合他社でなく自社を再訪し続けるようにするためには、強力なロイヤルティー戦略の実施がこれまで以上に必要不可欠です。

 実際に、Criteoの検討層向けソリューションも緊急事態宣言による実店舗の休業から新規顧客獲得の機会を失った企業やECサイト事業強化を希望する企業の解決策として導入されるケースが増加しており、継続購入が期待できる質の高い新規顧客獲得の重要さが見受けられます。実店舗を長年利用してきた顧客がオムニチャネルの買い物客になる状況が予想され、既存の消費者や離れていった消費者に加えて、そうした新しいオーディエンスともエンゲージメントを図る秘訣は、サイロ化したチャネルを重視せず、あらゆるチャネルにわたって永続性を推進する、顧客中心のマーケティング戦略に重点を置くことです。

実店舗に投資

 2020年には多くの消費者が初めてECに目を向けるようになりましたが、依然として圧倒的多数の消費者が、商品を実店舗で見て触れてから購入を決めたいと考えています。Criteoのデータによると、全世代の日本人の約6割が実店舗での買い物が恋しいと回答しています。この2つの体験を橋渡しするために、小売業者はテクノロジーを活用し、ECの先例にならうべきです。来店客が事前に検索可能な在庫検索用カウンター、非接触型のモバイル決済、さらには自宅で商品を視覚化できる拡張現実(AR)を提供することで、最大限にシンプルで効率的な実店舗体験を実現できます。

 今日の「利便性を求める消費者」にうまく対応するためには、明確なことが一つあります。それは、マーケターは消費者が望む場所からブランドにアクセスできるようにする必要があるということです。あらゆるチャネルにわたってパーソナライズされたシームレスな体験に加えて、カーブサイドピックアップ、デジタルサブスクリプション、非接触型の会計といったオプションを提供することで、消費者は自分が望む条件で商品やサービスにアクセスでき、最終的にそうしたブランドとの接点を持ち続け、さらに良好な関係性を築いていくようになるのです。

中村祐介
Criteo Chief Industry Strategist
2005年にサイバーエージェントへ入社し、デジタル広告全般の営業および運用業務に従事。2010年にミクシィで自社メディアの広告および企画提案業務に従事した後、DSP事業の新規立ち上げに参画し、営業チームをリード。2014年からCriteoに在籍し、新規広告主向け営業業務に従事した後、2017に広告代理店とのビジネス全般を統括する営業チームを立ち上げ。営業チームをマネジメントする傍ら、2020年からはChief Industry Strategistとして、主に外部のイベントやセミナーでの登壇業務にも従事。

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