多くの人がビデオ会議疲れに現在陥っている。週に4〜5回目のビデオ会議に出席する頃には、誰が何をいつ発言したかの記憶も定かでなくなっている。
Microsoftは、この苦労を理解しており、新しい機能を「Microsoft Teams」に搭載した。会議中の発言を文字化して記録を作成し、会議を欠席した、遅れて参加した、そして、途中で眠ってしまった場合でも、内容を把握できるようにする。
Microsoft Teamsのライブ文字起こし機能は、各話者を識別し、発言内容を「ほぼ」リアルタイムで捉え、会議の記録を生成する。そのため、ユーザーはその内容を会議の最中や後から読めるようになる。
同機能は、Teams会議の招待内に保持される情報を活用する。その情報には参加者の名前や添付書類などが該当し、文字起こしの精度向上や会議に特化した用語の特定を目的としている。
Microsoftによると、これにより人が介在する必要性が最小になるという。ただし、同社は、「ライブ文字起こしは100%の精度を保証するものでなく、人生を変えるような状況で頼りにすべきものでもない」と注意を促している。
ライブ文字起こしを使うには、Teamsテナント管理者が「Allow Transcription Policy」をまずはオンにする必要がある。これにより会議の主催者や司会者は、Teams会議ウィンドウ内のドロップダウンメニューから同機能を簡単に開始できるようになる。ライブ文字起こし機能は「Start recording」オプションの下に位置する。
プライバシー方針に従うため、参加者は、会議でライブ文字起こし機能が使われていることを通知される。これは、会議が録画されている時に通知されるのと同じだ。参加者は、識別されるのを避けたい場合、話者の特定をオフにするオプションを与えられる。
会議後、文字化された内容は保存され、参照とダウンロードがデスクトップ版とウェブ版のTeamsで可能になる。また、Teamsカレンダーの会議予定やチャットのトランスクリプトタイルからでも利用可能だ。
Microsoft従業員による会議内容の閲覧はできないと同社は述べる。同様にMicrosoftは、ライブ文字起こしのデータを使って自社AIモデルを改善することはなく、各モデルは会議が終了するごとに自動削除される。
Teamsのライブ文字起こし機能のファイルは会議主催者のExchange Onlineアカウントに保存され、主催者とテナント管理者のみが削除権限を持つ。
ライブ文字起こし機能は現在、米国英語向けに提供され、「Microsoft 365 E3」「Microsoft 365 E5」「Microsoft 365 Business Standard」、そして、「Microsoft 365 Business Premium」のライセンスを持つMicrosoftのパブリッククラウド顧客が利用できる。同機能はチャネルと「Meet Now」向けにも今後予定されていると同社は述べる。
文字化された内容の閲覧はTeamsのMeeting Recap機能からでも可能。同機能は、音声記録をメモや共有ファイルと一緒にまとめ、参加者が会議後に利用できるようにする。
「高精度でAIベースのライブ文字起こしをTeams向けに提供することは、会社全体で非常に大きくやりがいのある取り組みだった」とプリンシパルプログラムマネージャーのShalendra Chhabra氏は述べる。
「この強力で大規模構築された基盤によって、われわれは、包括性、アクセシビリティー、生産性をMicrosoft Teamsを使った会議で向上し続けるという、次の課題に取り組む準備が整った」(Chhabra氏)

話者の属性を活用したライブ文字起こしの提供がMicrosoft Teamsで開始された。
提供:Microsoft
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。