Googleの親会社Alphabetは、社内の財務業務をOracleからSAPのソフトウエアに切り替える計画だという。CNBCが米国時間4月5日に報じた。このニュースは、偶然にも米連邦最高裁判所がOracleとGoogleの10年にわたる訴訟の最終判決を言い渡し、Googleが勝訴した日に報じられた。
Java APIをめぐる10年間の法廷闘争に決着はついたが、GoogleとOracleは他の分野でも競争を繰り広げている。両社ともに、クラウドコンピューティング市場でのシェアを拡大するべく、エンタープライズ顧客の取り込みに精力的だ。とりわけ、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドを必要とする企業や、オンプレミスのワークロードをクラウドに移行しようとしている企業に目を向けている。
CNBCによると、Oracleは長年、同社のデータベースソフトウェアを「Google Cloud」向けに認定することを拒んでいた。そのためGoogleは、Oracleのデータベースをクラウドでホスティングしたい企業への売り込みに苦慮していたという。Google Cloudは2020年に、Oracleデータベースなど向けの「Bare Metal Solution」を強化するなどしている。
Googleの広報担当者Jose Castaneda氏は、米ZDNetに対して、「Google Cloudは、当社のBare Metal Solutionを通じて、Oracleの顧客が自社のOracleデータベースのワークロードをGoogle Cloudで実行できるよう、積極的に取り組んでいる」とし、「しかし、それは当社が財務ソフトウエアの顧客として、財務システムをOracleからSAPに移行するという決定とはまったく無関係だ」と説明した。
GoogleのSAPへの移行は、Oracleにとって痛手となることは間違いなさそうだ。Oracleの共同創業者で最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏は、米国時間3月10日に行った第3四半期決算のカンファレンスコールで、SAPからOracleのクラウドアプリケーションに乗り換えた大手顧客が多いことを強調したばかりだ。同氏は「SAP ERP」から「Oracle Fusion ERP」に移行した企業や政府機関に言及した。
米ZDNetはOracleにコメントを求めたが、現時点で回答は得られてない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。