オムロン阿蘇、オラクルのIaaSを導入し可視化を実現

NO BUDGET

2021-04-06 15:02

 オムロン阿蘇は、工場内の生産ラインの可視化および経営でのデータ活用推進を目的とした生産データの活用基盤に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で提供される「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Analytics Cloud」を導入した。

 同社は、環境エネルギー関連装置・機器製造を行うオムロングループの企業で、アナログセンシングとコントロール技術をベースに、次世代エネルギー二―ズに応える製品の開発・生産を行っている。今回は日本オラクルのコンサルティングサービス部門の支援を受け1カ月でデータ活用基盤を構築。生産ラインの進捗(ちょく)状況を可視化する画面作成を完了し、2020年5月から順次運用している。

 例えば、ソーラーパワーコンディショナーの生産3ラインには、生産した製品の通過を自動カウントするRFIDの仕組みを構築し、そのデータを自動集計して生産開始時間・工程完了時間・生産数などの情報を可視化した。これまでは現場の従業員が手作業でカウントし、そのデータを終業後に収集して表計算ツールへ入力、集計するという方法で生産ラインの稼働実績を把握していたが、それらの作業負担が削減された。

 可視化した情報では、工場内モニターで生産現場の従業員が進捗確認を行うだけでなく、本社オフィス内に設置した大画面モニターでも表示する。また、コロナ禍での在宅勤務中の従業員も自宅のPCからアクセス可能で、現場担当者、経営者や生産部門の監督者・管理者が同じ生産ラインの進捗状況をリアルタイムに確認できる。

 生産ラインで異常を検知した際には、リモートで迅速かつ適切な対応手段を協議でき、より迅速かつ効果的な対応を講じられるようになった。これにより本社担当者の工場や現場への移動時間の削減などの従業員の業務効率の向上に加え、異常発生時の生産部門の監督者・管理者や現場従業員の心理的負担の軽減にも寄与している。

 「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Analytics Cloud」について同社では、複数のデータ分析ツールを比較評価した結果、活動の中心となる現場担当者や経営層にも直感的なユーザーインターフェースや高い操作性を評価している。

 これらのソリューションは、オンプレミスで稼動する他社ツールと比較して導入コストを約70%削減している。また、他社がユーザーライセンス課金であるところ、「OCI」では従量制課金でサービスを利用可能で、将来的な分析画面追加などの工数やデータの増加に伴う開発者や利用ユーザー数の追加の際にも、運用コスト増加の懸念がない点が選定のポイントとなったという。

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