Microsoftは、「Azure」「SQL Server」「Yammer」「Minecraft」「LinkedIn」など、社内でさまざまな製品やサービスに「Java」を利用しており、Javaを使って「Android」のアプリを作っている開発者も1000人以上抱えている。それを考えれば、Microsoftが独自のJava開発キットを作って顧客に提供しても不思議はないだろう。
Microsoftは米国時間4月6日、「OpenJDK」の長期サポート(LTS)ディストリビューションである「Microsoft Build of OpenJDK」のプレビュー版を公開した。このディストリビューションには「Java 11」のバイナリーが含まれており、「Windows」「macOS」「Linux」のx64サーバー環境およびデスクトップ環境で利用できる。また同社は、Arm版Windows用「Java 16」の早期アクセス版もリリースした(MicrosoftのJava Engineering Groupは、2020年6月にArm版Windows向けのOpenJDKを移植する作業の最初のフェーズを完了したと発表している)。
Microsoftは、2019年にjClarityを買収した際、その目的は同社の技術を使ってAzureのJavaワークロードを最適化することだと述べていた。jClarityは「OracleのJava/SDKをそのまま置換できる」製品という位置付けで、「AdoptOpenJDK」バイナリーの商用サポートを展開していた。Microsoftは、2018年からAdoptOpenJDKプロジェクトのスポンサーになっている。jClarityの買収が、MicrosoftがJava Engineering Groupを立ち上げる契機になった。
Microsoftによれば、同社の社内では現在50万以上のJava仮想マシン(JVM)がデプロイされており(この数字にAzureのサービスや顧客のワークロードは含まれていない)、バックエンドのマイクロサービスやビッグデータシステム、メッセージブローカー、ストリーミングサービス、ゲームのサーバーなどで使用されているという。これらのJVMのうち、14万以上ですでにMicrosoft Build of OpenJDKが使用されている。
プレビュー版Microsoft Build of OpenJDKのパッケージやインストーラーは、同社のOpenJDKのサイトで入手できるようになっている。Microsoft Azureの顧客であれば、ブラウザーやWindowsターミナルの「Azure Cloud Shell」からこのプレビュー版を試してみることもできる。
Microsoft Build of OpenJDKは、今年中にAzureで管理されているサービスで使用されるJava 11のデフォルトディストリビューションになる見込みだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。