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日本株展望

J-REIT上昇、平均分配金利回りは3.6%まで低下--やや買われ過ぎか - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2021-04-08 09:46

リーマンショックでもJ-REITは日経平均を上回る暴落だった

 J-REITが株の暴落局面で分散投資効果を発揮しなかったのは、今回が初めてではない。2007~2008年の不動産ミニバブル崩壊・リーマンショック時も日経平均を上回る暴落となった。

 まず、2004年以降の都心のオフィスビル需給の推移を見てほしい。

都心5区オフィスビルの平均賃料と空室率の推移:2004年1月~2021年2月

出所:三鬼商事「東京ビジネス地区オフィスマーケットデータ」から作成、都心5区とは千代田・中央・港・新宿・渋谷区
出所:三鬼商事「東京ビジネス地区オフィスマーケットデータ」から作成、都心5区とは千代田・中央・港・新宿・渋谷区

 見て分かる通り、2004~2021年で2回不動産ブームがあった。2007年に不動産ミニバブルといわれるブーム。「ミニ」と言われるのは、1990年の不動産バブルほど極端なバブルではなかったから。ただし、ミニでも「バブル」と言われるのは、一部に利回りで説明できない高値まで買われた物件があったからだ。不動産ミニバブルは、2007年の金利上昇と2008年のリーマンショックによって完全に崩壊した。都心不動産もJ-REITも暴落した。

 2019年にかけて、もう一度、不動産ブームがあった。この時のブームはバブルとは呼ばれていない。都心不動産で一部にかなり利回りが低くなった物件もあるが、全体として利回りで説明できる範囲の上昇だったといえる。

 ただし、2019年まで続いた不動産ブームは、2020年のコロナショックで終了した。緊急事態宣言が出される中で都心への人出が一時大きく減少。さらに在宅勤務が普及したことで、都心部のオフィスビル需給は軟化した。ただし、ミニバブルの時のような、利回りで説明できない高値で買われていたわけではないので、コロナショック後の需給悪化はミニバブル崩壊のときほど急ではなかった。

 それでは、次に2004年以降の東証REIT指数・日経平均の動きを見てほしい。

日経平均と東証REIT指数の月次推移比較:2004年1月~2021年4月(7日)

出所:ブルームバーグのデータから作成、2019年末の値を100として指数化
出所:ブルームバーグのデータから作成、2019年末の値を100として指数化

 既に説明した通り、2007~2008年の不動産ミニバブル崩壊で東証REIT指数は日経平均を上回る暴落をした。2007年の前半、日経平均を上回る急騰をしていたことが原因になる。この頃は、REITが利回り商品であることが投資家によく理解されていなかったと考えられる。REITを不動産成長商品と勘違いした投資家により、ミニバブルの熱気の中でREITは急騰し、その後、バブル崩壊とともに急落したのだった。

 その後、REITが利回り商品であることが投資家に理解されるようになった。2015年からの不動産ブームでは、REITを高値に買い上げる投資家はいなかった。2015~2018年までは、日経平均が上昇する時に下落、下落する時に上昇する傾向があらわれ、ようやく利回り商品として株と逆連動するようになり始めていた。そのまま、利回り商品としての地位が定着するかもしれないと思われていた。

 ところが2019年に日本が景気後退に入り、株が買いにくくなる中でも不動産ブームは継続していたことから、REITが積極的に買われて上昇した。東証REITの平均分配金利回りは3%台の下の水準まで低下してしまった。筆者は4%が妥当水準と考えていたので、コロナショック前のREITは利回りが「低過ぎ」、価格は「買われ過ぎ」になっていた。

 そこでコロナショックが起こりました。ブームの最後で買われ過ぎになっていたため、東証REIT指数は一時ほぼ半値まで下がり、日経平均を上回る暴落となってしまった。またしても、株の下落局面で利回り商品としてのディフェンシブ性を発揮することはなかった。

 ここまで「REITとは何か」解説しないまま、市場動向を説明してきた。ここから少しREITの基礎知識について解説する。

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