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経済安全保障や地政学リスクでの情報セキュリティに企業はどう対処すればよいか - (page 2)

松岡功

2021-04-08 10:23

ビジネスのサプライチェーンリスクに備えよ

 以下、大三川氏の説明のもと、企業がどう対処していけばよいかについて、少しイメージしやすいように解説しよう。

 まず、経済安全保障や地政学リスクがどこにあり、そこにあるビジネス上の法規制やガイドラインなどの「ルール」が今どのような内容かを把握し、それが今後どのように変わりそうかを予測して、そのための準備も怠りないようにしたい。

 逆に言うと、そうしたルールに則った形でないとビジネスが立ち行かなくなる。それはこれまでも変わらないが、重要なのはこのところの経済安全保障や地政学リスクの動きをしっかりと捉えて、急なルールの変更にも対応できるようにしておくことだ。つまり、今後は急な動きが起こり得ると考えておく必要がある。

 その上で、企業が心得ておきたいのは、ビジネスのサプライチェーンにおける自らの立ち位置をしっかりと把握しておくことだ。

 立ち位置の話の前に、実はこのビジネスのサプライチェーンにおけるリスクが、経済安全保障や地政学リスクでの情報セキュリティの“肝”となることを述べておきたい。なぜか。これまでつながっていたビジネスのサプライチェーンのどこかの部分でルールが突然変わってつながらなくなると、ビジネスは途端に継続できなくなる。そのつながりの核となっているのが、データだからだ。そうしたサプライチェーンの分断を防ぐために、先述したような怠りない準備が必要となる。

 そこで立ち位置の話に戻ると、ビジネスのサプライチェーンにおける自社の立ち位置によって、例えば製造業における部品メーカーの場合、自らの後工程となる完成品やそれを売る市場まで目配せした上でルールに則ったビジネスを行わなければならない。さらにそれだけでなく、自らの前工程となる素材やそれを生産した企業もルールの対象となる。

 以上が、大三川氏の説明を基にした筆者の解説だが、最後に同氏の話でとりわけ印象深かったポイントを挙げておくと、経済安全保障や地政学リスクでの情報セキュリティにおいては、「急なルールの変更にも対応できるデータ保全の体制を整えること」、そしてそのリスクは「ビジネスのサプライチェーンの分断につながり、ひいてはビジネスが立ち行かなくなること」にあると。これらはもはや企業のIT部門ではなく、経営者自らが先頭に立って対応すべき取り組みであることを強調しておきたい。

 なお、トレンドマイクロでは経済安全保障や地政学リスクでの情報セキュリティについての知見を集約した「サイバーセキュリティ・イノベーション研究所」(2020年11月発表時は「Cybersecurity Center of Excellence」)を2021年1月に開設した。図1が同研究所の概要である。同社としてもこれまでの知見を生かした新たなビジネス領域となる。

図1:サイバーセキュリティ・イノベーション研究所の概要(出典:トレンドマイクロ)
図1:サイバーセキュリティ・イノベーション研究所の概要(出典:トレンドマイクロ)

 今回のテーマである「経済安全保障や地政学リスクでの情報セキュリティ」については、今後も大いに注目していきたい。

 

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