在宅オペレーターの状況把握に顔認証--映像での常時監視のストレスを削減

藤代格 (編集部)

2021-04-09 07:15

 国内37拠点、約1万8000席のコールセンターを運営するベルシステム24(中央区、従業員数8436人、オペレーター数1万7538人)は、PCのウェブカメラを活用した顔認証で在宅勤務を可視化する「テレワークサポーター」を導入。

 カメラで監視されているようなストレスを与えず、業務内容の可視化、適切な労務管理につなげているという。4月8日、サービスを提供するキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、港区)が発表した。

 新型コロナウイルス感染症の流行以前から在宅勤務環境の整備に着手。オペレーター一人ひとりの仕事ぶりが直接見えないなかで、「問題なく顧客対応できているか」「トラブルが発生していないか」などを把握、フォローや指導ができる仕組み作りを目指していたという。

 委託元となるクライアントは高いレベルの情報漏えい対策を求める一方で、カメラの常時監視ではストレスやプライバシーなどが課題だったとしている。

 2019年2月、テレワークサポーターを運用開始。PCのウェブカメラで顔認証を常時実施するが、管理者任意のタイミングでの勤務者の映像確認はできないという。相手の姿を直接見ずに「PCの前に本人がいるか」が判断できるとしている。

 登録した勤務者以外が映り込んだ場合は「なりすまし」「のぞきこみ」として検知し、カメラでの写真撮影、画面のスクーンショット保存を実施。管理者に通知しつつ、同時にモニターをブラックアウトさせるという。情報漏洩を最小限に抑え、万一漏えいした際のエビデンスになるとしている。

ベルシステム24での活用イメージ(出典:キヤノンITS) ベルシステム24での活用イメージ(出典:キヤノンITS)
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 現在は、在宅勤務のコールセンター1300席のうち約25%で活用。「監視されているようなストレスを感じず、コールセンターと同じ緊張感で仕事に集中できる」という声が寄せられているという。退職率や欠勤率も低下しており、在宅勤務環境の整備で通勤時間解消といったワークライフバランスの設計がしやすくなった成果と捉えているとしている。

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