Ciscoが開催した年次カンファレンス「Cisco Live」では、インターネット基盤の再設計から新たなネットワーク・アズ・ア・サービス(NaaS)の提供まで、さまざまな発表が行われた。Ciscoはまた、セキュリティを向上させるために、パスワードレスの未来を強くアピールした。
インターネット基盤の再設計
Ciscoは、通信サービス事業者やウェブスケール企業のネットワーク強化を支援する計画を発表した。同社によれば、ネットワークを構築してインターネットを成長させ、より多くの地域に拡大することは、ネットワーク事業者にとって困難なプロセスだったという。Ciscoは、サービスプロバイダーが複数のネットワークを大規模に共通の、コスト効率の高い、安全な基盤に収束させるためのブループリント「Converged SDN Transport」を設計したと発表した。
同社はインターネットの構造を簡素化するために、IPネットワークと光ネットワークの統合を目指した「Routed Optical Networking」システムを公開した。このシステムはAcaciaのプラガブルコヒーレントオプティクスを採用し、セグメントルーティングやイーサネットVPN、新たな「Cisco Crosswork Cloud」機能を備えている。目標は、通信事業者が5Gで期待される水準のトラフィックをサポートできる、無駄のない、効率的で運用しやすいネットワークを構築できるようにすることである。
Cisco Plusアズ・ア・サービス戦略の発表
Ciscoはさらに、ハードウェア、ソフトウェア、サービスの新たな市場開拓戦略「Cisco Plus」を発表した。この戦略は、Cisco製品群をより簡単に利用できるようにすることを目指している。Cisco Plusは、ネットワーク、セキュリティ、コンピュート、ストレージ、アプリケーション、可観測性の各システムをアズ・ア・サービス製品として、消費しやすく、また使いやすく設計した統合サブスクリプションで提供するという。
同社のNaaSクラウドモデルは、顧客がネットワークから得られると期待される成果を、自社でインフラストラクチャーを所有、構築、保護、維持することなく、容易に運用し、維持できるように設計されている。Ciscoは、アクセス、WAN、クラウドの各領域で、ネットワーク、セキュリティ、可視化サービスを統合するNaaSを、2021年後半に限定発売する予定だ。
アズ・ア・サービス製品「Cisco Plus Hybrid Cloud」は、サードパーティーのストレージやソフトウェアに加え、Ciscoのデータセンターのコンピュート、ネットワーク、ストレージのポートフォリオ全体を含む柔軟な消費モデルとなっている。同製品はオンプレミス、エッジ、パブリッククラウドの橋渡しをし、2021年半ばに発売される。
可視性の向上を目指したソフトウェア提供型システム
Ciscoは、技術者が企業ネットワークの向こう側を見通せるように設計されたソフトウェア提供型の新製品を発表した。これは、技術チームがハイブリッドワーク戦略のためにSaaSやインターネット、クラウドソフトウェアの導入を加速する中で、ますます重要になっている。