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マイクロソフト、沸騰する液体でサーバーを冷却する二相式液浸冷却技術を導入

Mary Jo Foley (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2021-04-12 11:20

 Microsoftは以前から二相式液浸冷却技術のテストを行っていた。しかし同社はこのほど、先週発表された公式ブログで、米ワシントン州クインシーにある「Azure」データセンターを皮切りに、この技術の導入を開始したことを明らかにした。

Microsoft
提供:Microsoft

 同社は、二相式液浸冷却技術の本番環境への導入は、より強力で信頼性が高く、環境に優しいデータセンターを作る取り組みの次のステップだと述べている。

 Googleは、既にAI(人工知能)処理を高速化する「Tensor Processing Unit」(TPU)で液体冷却技術を導入している。Microsoftが強調しているのは、これが「二相式」の液浸冷却技術として初めて導入された事例だという部分だ。

 単相式の冷却技術では冷媒は終始液体の状態であり、熱は自然対流または強制対流によって運ばれる。この点では、単相式の冷却技術は空冷式の技術に似ている。高温になった液体は熱交換器で熱を奪われ、再び循環させられる。しかし、二相式液浸冷却技術では、強制的な循環は行われない。冷媒が発熱している部品に接触すると、液体が蒸発して蒸気の泡になって上昇するため、熱は気化熱となって運び去られる。Microsoftの説明によれば、蒸気の熱は凝縮器で奪われ、自然に液体に戻る。

 液冷技術は水を使わない技術だ。今回クインシーのデータセンターに導入されたスチール製の冷却タンクは、調整された溶液で満たされており、その液体に浸されたサーバーは、標準的な空冷式のラックで使用した場合と同じように動作する。この液体は華氏122度(摂氏50度)で沸騰するようになっている。タンクの中には冷却のためのコイルが通っており、これに触れることで蒸気が凝縮するようになっている。このコイルは別の閉ループに接続されており、タンク内の熱は液体によって容器の外側に設置されている乾式冷却器に運ばれる。

 今のところ、MicrosoftがAzureのデータセンターに導入したタンクは1台だけだ。今後数カ月間で、この技術に関する一連のテストが行われる予定になっている。

 MicrosoftのDatacenter Advanced Development部門担当ディスティングイッシュトエンジニア兼バイスプレジデントであるChristian Belady氏は、「スーパーコンピューターの分野では何十年も前からこの種の技術を利用しているため、リスクはそれほど高くない」と述べている。「当社の目標は、これを全てのデータセンターリージョンで導入することだが、そこに至るまでには多くのステップがある」

 Belady氏は、Microsoftの海中データセンタープロジェクトである「Project Natick」では、環境から湿度と酸素を取り除くことでシステムの安定性が向上したことにも言及した。同プロジェクトでは、腐食による故障が大幅に減少したという。

 「液浸技術でも同じような条件が当てはまる。基本的に、酸素や水分は排除されることになる」と同氏は述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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