NVIDIAは、3Dデザイナーがコラボレーションや作業を行うためのプラットフォーム「Omniverse」の企業向けバージョンである「Omniverse Enterprise」をGTC 2021カンファレンスで発表した。
提供:NVIDIA
サブスクリプション形式で提供されるこの環境は、Pixarの「Universal Scene Description(USD)」フレームワークをベースとしており、デザイナーが「どこからでも、どんなデバイスでも仮想世界の中で同時に作業を行う」ことを可能にする。
NVIDIAのメディアエンターテインメント担当ジェネラルマネージャーRichard Kerris氏は、「世界には3Dパッケージを使用しているフリーランサーが何百万人もいるが、彼らは3Dモデリングパッケージや、3Dモデリングとペインティングのパッケージなど、複数の3Dパッケージを使っており、自分だけで作業をしているにもかかわらず、アプリケーションの間でデータのエキスポートやインポートを頻繁に行わなければならない状況にある」と述べている。
「Omniverseを使えば、このプラットフォームでそれらのアプリケーションを利用でき、いつでも切り替えられるようになるため、パラダイムが変わる。これは、彼らにとって画期的な変化だ」(同氏)
複数のフォーマットを横断的に利用しながら作業を行えるのは、Adobe、Autodesk、Epic Games、Blender、Bentley Systems、ESRIなどのアプリケーションのコネクターが用意されているためだ。
Kerris氏は、「USDが3DのHTMLだとすれば、Omniverseは3DのHTMLを表示するブラウザーのようなものだ」と説明した。
NVIDIAは個人が無料でダウンロードできるバージョンのOmniverseも提供しているが、有料サポートバージョンのコラボレーション機能に顧客が集まることを期待している。
サブスクリプション契約には、管理サーバーの「Omniverse Nucleus」と「Omniverse Connectors」、シーンの作成に使用する「Omniverse Create」、レンダリングを行う「Omniverse View」、「RTX Virtual Workstation」が含まれる。Omniverse Enterpriseは、2021年夏にリリースされる予定だ。
Omniverse Enterpriseは同社のRTXデバイスとEGXプラットフォームに最適化されている。
NVIDIAによれば、ベータテストの開始から3カ月間で1万7000人近くのユーザーがこれをダウンロードした。またBMWやActivision Publishingを含む400社以上の企業が2年間にわたってOmniverseを使用しているという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。