ソフトバンクは、5G(第5世代移動通信システム)ネットワーク環境のもと、MEC(Multi-access Edge Computing)と人工知能(AI)を使った映像伝送向け基盤を活用して、映像の解像度と画質を高める“超解像”の実証実験を実施した。映像伝送向け基盤には、NVIDIAの「NVIDIA Maxine(エヌビディア マキシン)」が用いられた。
実証実験では、ソフトバンクの5Gネットワーク環境で低解像度(180p相当)の映像を伝送して、MECサーバーでAIによる「超解像」処理を行い、高解像度(720p相当)の映像を生成できると確認した。
“超解像”のイメージ(出典:ソフトバンク)
MECサーバーを活用しない場合と比較して、少ないネットワーク帯域幅の利用で同等の品質の映像を配信することができた。また、MECサーバーに音声ノイズ除去機能を組み込むことで、ユーザーが高価なマイクなど特別な機器を使用することなく、クリアな音声でウェブ会議を利用できることも確認した。これにより、5G環境におけるアップリンクの通信に対して、AIとMECの有効性が証明されたとしている。
テレワークの急速な普及に伴い、ウェブ会議のように動画をリアルタイムにアップロードするサービスが利用される機会が増加し、アップリンクの容量がひっ迫することが課題となっている。ソフトバンクはこのような課題に対して、NVIDIA Maxineを活用し、モバイルネットワークにおけるデータ通信量を抑制しながら、高品質な映像を配信可能にするシステムの開発を進めている。