コクヨは4月13日から2日間、オンラインカンファレンス「働くのミライ会議」を開催。三井住友フィナンシャルグループ(SMFG、連結従業員数8万6433人)、楽天コミュニケーションズ(単体従業員数約800人)、コクヨ(単体従業員数2241人)の担当者が登壇して「実例で語る! withコロナの働き方と感染対策」と題して意見を交わした。
社員が自律的に選択できる仕組み--コクヨ
2020年4月に政府が発した緊急事態宣言から1年が経過した。いまだコロナ禍は収束していないが、それでも感染対策を講じながら経済活動は続けなければならない。コクヨは2020年5月の緊急事態宣言解除後、「出社率50%以下」「働く場の柔軟性」「働く時間の柔軟性」と、3つの方向性を持って事業を継続してきた。
同社ファニチャー事業本部 スペースソリューション本部 本部長 矢田章氏は「社員と顧客の安全性確保と、オフィスに限定せずに在宅勤務やコワーキングスペースなど(本人が選択できる)幅を持たせ、育児、介護、配偶者の状況を鑑みて社員が自律的に選択できる仕組みを1年間実践してきた」(同社)と具体的な取り組みを説明する。
社内でもZoomで会議--楽天コミュニケーションズ
楽天コミュニケーションズはコロナ禍以前から在宅勤務制度を導入していたものの、制限を設けていた制度利用対象枠を全社員に拡大。勤怠管理についてもコア・フレックスタイム制を新たに導入して時差勤務を推奨しながら、既存のウェブ打刻システムを併用することでコロナ禍の混乱を防いできた。座席もフリーアドレス制に切り替えた。
同社ネットワークサービス本部 パートナービジネス部 第二グループ マネージャー 野田恵里氏は「集まって会議を行うことを重視する社風だったが、現在は対面禁止に伴って、社内でもZoom(を用いたオンライン)会議を使っている」と語った。
同社は2020年10月からは2つの新施策を導入した。その1つがネットワーク通信料の精算制度。同社の「モバイルチョイス・アップゲート」を利用したネットワークアクセス料金を企業が負担するというもの。もう1つは自宅以外での勤務制度。「ワーケーションからヒントを得て開始した。たとえば単身赴任の方は実家経由の勤務も(勤務時間に)含める」(野田氏)
これらの新制度は「ITツール(の活用)が充実していたからこそスムーズに(導入)できた。社員以外にも1人1台のノートPCを貸与し、弊社グループ企業のメッセージアプリケーション『Viber』を併用」(野田氏)することで、社内外の柔軟なコミュニケーションを実現していると説明。その他にも個人所有のスマートフォンに通話用番号を付与する「モバイルチョイス“050”」を用いることで、テレワーク業務時に外部からの連絡をスムーズに受け取れると主張した。