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会社が業務妨害?-- IT武装した職場の生産性がなぜ上がらないのか - (page 2)

辰巳綾夏 (クニエ)

2021-05-06 07:15

脱却のヒント:補強すべきはリモートワークの「意味づけ」、やめるべきは過剰な制約

 2021年3月に国土交通省が発表した「令和2年度テレワーク人口実態調査」によると、リモートワークにより労働時間が“増えた”と回答した人は26.2%、“減った”と回答した人は35.0%であり、労働時間が“増えた”回答者の方が約7%少ない。つまり、「リモートワーク=生産性が上がらない」のではなく、生産性が上げられるはずの制度である。

 生産性の上がらない多くの企業は、「ITツール導入」のステップで留まり、「リモートワーク導入の意味」を捉え直していないのではないだろうか。リモートワーク導入に成功している企業の多くは、「新たな働き方の一つ」としてリモートワークを捉え直している。“社員にとってより働きやすい会社であること”を目指したり、“ワークライフバランスの実現”を掲げたりするなど、「リモートワークの導入の意味」を、ただコロナ禍で出勤ができないからという理由に留めていない。

 もし、会社側の立場として自社のリモートワークによる生産性に頭を悩ませているなら、「リモートワークの意味」を今一度考えてみてはどうだろうか。例えば「働きやすさ」を掲げるなら、日本のビジネスメールで良く書かれている体裁の整ったメールは不要とし、宛名と用件のみを送れば良しとしたり、チャットツールで「今数分頂けますか」と送りショートコールしたりするなど、社員に対して今までとは異なる行動を促し、コミュニケーションの在り方を変えてはどうだろう。

 また、ITツールや設定が、真面目に働こうとしている社員を悩ませ、業務時間を無駄にするような制約をかけていないかも同時に見直すと良いだろう。

 ITツールがあればリモートワークは問題なくできる、社員はサボるもの…などの固定概念を払拭し、リモートワーク制度が会社側、社員側の両者にとって前向きな制度として歓迎されることを願う。

 次回は、社員側の課題の1つでもある「ITリテラシー」に焦点をあて、リモートワークで一気に進んだITリテラシー格差とそこから広がる長時間労働問題の実態について解説する。

(第3回は5月中旬にて掲載予定)

辰巳 綾夏(たつみ あやか)
クニエ ヒューマンキャピタルマネジメント担当
シニアコンサルタント

大手外資系コンサルティング会社にて大規模会計基幹システムの構想策定や業務プロセス改革支援等に従事し、プロジェクトの成功は、技術のみならずやはり「人」にあると実感。人事分野に移り、企業向け研修の企画営業職として業界、業種、規模を問わず、多数の企業の人材育成を中長期に渡り支援。その後クニエに入社し、現在は人材育成構想、人事制度改革等、人事分野のハード面のコンサルティングに幅を広げて従事。

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