日立製作所は4月20日、2030年度までに役員層(執行役と理事)の女性比率と外国人比率を30%まで押し上げるダイバーシティ&インクルージョン(D&I、多様性と包括性)戦略を発表した。
同社は2000年から「ジェンダーフリー&ファミリーフレンドリー」(FF)プランなどD&I施策に取り組んでおり、2017年時点で2.5%だった女性比率、同じく3.5%だった外国人比率を2021年4月時点でそれぞれ10%を達成。2025年4月までにそれぞれ15%、2031年4月までに30%を目指す。

(左から)日立製作所 執行役常務 CDIO Lorena Dellagiovanna氏、同社 執行役専務 CHRO 中畑英信氏
同社 執行役専務で最高人事責任者(Chief Human Resources Officer:CHRO)の中畑英信氏は「取り組みを加速させるため、2020年4月にLorena Dellagiovanna(ロレーナ・デッラジョヴァンナ)氏を責任者に任命。日立製作所111年の歴史で初めての女性執行役員」とDellagiovanna氏を紹介した。Dellagiovanna氏は2020年4月に最高ダイバーシティ&インクルージョン責任者(Chief Diversity & Inclusion Officer:CDIO)に就任、2021年4月に執行役常務を就任している。
コミュニケーションバイアスがカギ
多様化する社会背景を受け、企業はダイバーシティに代表される「働き方の変化」に取り組んでいる。Dellagiovanna氏は今回の施策について「過去20年、われわれはジェンダー(社会的性差)を中心とした革新を続けてきた。現在はグローバルに拡大する段階にある」と述べながら、D&I戦略の重要性を強調した。
Dellagiovanna氏は日本市場でD&Iが求められる背景として「過去の日本は世界第2位の市場だったが、現在は(市場の)グローバル化や新興国(の勃興)、技術革新など急速に市場が変化している。将来の成長や持続可能性など活気のある職場がビジネスには重要」だと説明し、俊敏な働きかけが必要であると施策を拡大させる理由を述べた。