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AWSが示した新たなアプローチによる誤り耐性量子コンピューターの"青写真" - (page 2)

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-04-30 06:30

 量子誤り訂正を実現するにはいくつかの手法がある。アクティブQECと呼ばれる従来からあるアプローチでは、不完全な量子ビット(「物理量子ビット」と呼ばれている)を多数用いることで、誤りが発生した単一の量子ビットを訂正し、粒子を元の状態に復元するようになっている。なお、このような方法で作り出された制御可能な量子ビットは「論理量子ビット」と呼ばれている。

 しかし、アクティブQECはすべての論理量子ビットを符号化するために大量の物理量子ビットを必要とする。これにより、ハードウェア上のオーバーヘッドが大幅に増加する結果、大規模量子ビット回路からなる汎用量子コンピューターの実現はより難しいものとなる。

 もう1つのアプローチであるパッシブQECは、本質的にエラー耐性を有した物理コンピューティングシステムの実現に注力するというものだ。パッシブQEC関連の取り組みの大半はまだ実験段階にとどまっているが、この手法は誤り耐性を本質的な性質として組み込むことで、大量の量子ビットを搭載した量子コンピューターの実現に向け加速していくという目標を有している。

 AWSのリサーチャーらは今回発表された新たな青写真において、アクティブQECとパッシブQECの双方を組み合わせることで、原理的により高い精度を実現できる量子コンピューターを生み出そうとしている。このアーキテクチャーは、「(シュレーディンガーの)猫状態」に基づいた系を表現している。要するに、これはある種のパッシブQECであり、発振器内で量子ビットの重ね合わせ状態を維持しつつ、1対の光子を注入後に抽出することで量子状態の安定性を維持するというものだ。

 両氏によると、この設計によって量子ビットの状態が1から0へ、またその逆に変化した際に発生するビット反転の誤りが低減するという結果になることが示されたという。ただ両氏は、その他の原因で発生し得る誤りからの保護に向け、パッシブQECと既知のアクティブQECのテクニックを組み合わせる手法を提唱している。

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