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AWSが示した新たなアプローチによる誤り耐性量子コンピューターの"青写真" - (page 3)

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-04-30 06:30

 例えば反復符号は、量子デバイスにおける誤りの検出と訂正を可能にする実績あるアプローチだ。Arrangoiz-Arriola氏とCampbell氏は、自ら考え出した理論上の量子コンピューター内で、猫状態とともにこのアプローチを用いて耐障害性を高めている。

期待を持てる結果、そして次なる課題

 その結果は期待が持てるものとなっているようだ。猫状態と反復符号を組み合わせたアーキテクチャーは、わずか2000個強の超伝導コンポーネントを安定化のために用いるだけで、1000ゲートの実行を可能にする100の論理量子ビットを作り出せるという。

 Arrangoiz-Arriola氏とCampbell氏は「これにより、現在の、あるいは近い将来のテクノロジーを用いた希釈冷凍機1台分の大きさの量子コンピューターで、従来のコンピューターでシミュレートできる規模をはるかに上回れるようになるだろう」と記している。

 両氏によって提唱されたこの理論的アーキテクチャーを物理デバイスとして実現するには、依然としていくつかの課題が残されている。例えば猫状態は、研究室内における過去の概念実証実験で既に示されてきているが、現時点では実用的な規模で再現できていない。

 とはいえ、大手のテクノロジー企業による量子レースへの参入が増えてきている中、この論文はAWSが量子コンピューティングに本腰を入れ始めていることを示唆するものとなっている。

 IBMは最近、2023年までに1121量子ビットのシステムを構築するというロードマップを明らかにしており、現在127量子ビットのプロセッサーに取り組んでいる。またGoogleは2019年に、54量子ビットを処理できる「Sycamore」プロセッサーで量子超越性を達成したと発表している。さらにMirosoftは最近、クラウドベースの量子エコシステム「Azure Quantum」を開発し、パブリックプレビューを進めている。

 AmazonもAWSのマネージドサービスである「AWS Braket」をローンチしている。これにより科学者やリサーチャー、開発者は、D-WaveやIonQ、Rigettiといった量子ハードウェアプロバイダーが提供するコンピューターを用いた実験が可能になる。ただAmazonは現在のところ、同社独自の量子コンピューターを構築するには至っていない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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