英国の調査会社SlashDataが実施した開発者コミュニティに関する調査によれば、もっとも開発者が多いプログラミング言語は「JavaScript」で、開発者数は1380万人だった。
同社が発表したレポート「State of the Developer Nation」の第20版では、2021年第1四半期時点の数字として現在活動している世界の開発者数を2430万人と推定しているため、そのかなりの割合がJavaScriptコミュニティに属していることになる。
SlashDataの調査は155カ国の1万9000人以上の開発者から得た回答者に基づくもので、その結果はGitHubやRedMonk、StackOverflow、TIOBEなどのほかのプログラミング言語ランキングとは若干ニュアンスが異なるものになっている。
SlashDataはこの調査を年2回実施しており、前回の調査では、JavaScriptコミュニティの規模は1240万人と推定されていた(これには、「TypeScript」と「CoffeeScript」のコミュニティが含まれている)。
同社の推定によれば、2番目に開発者人口が多いのは「Python」(1010万人)で、3番目は「Java」(940万人)だった。
このトップ3は、ソフトウェア開発者を専門とする調査会社RedMonkのランキングと同じだ。RedMonkのランキングはGitHubとStack Overflowのデータを元にして作成されている。
これに続くコミュニティの規模が大きい言語の4~6位は、「C/C++」(730万人)、Microsoft社の「C#」(650万人)、PHP(630万人)だった。同社はそのほかにも、利用者が多いプログラミング言語として、「Kotlin」「Swift」「Go」「Ruby」「Objective C」「Rust」「Lua」などを挙げている。
同社は、JavaScriptの開発者が2017年第4四半期以降に450万人増加した一方で、Pythonの開発者は過去1年間で160万人増加したと推定している。
SlashDataによれば、Pythonは開発者数が600万人以上のコミュニティでもっとも増加率が高くなっている。機械学習開発者とデータサイエンティストの約70%がPythonを使用しているという。これはおそらく、PythonにGoogleの「TensorFlow」やFacebookの「PyTorch」、「NumPy」などの有力な機械学習ライブラリーが用意されているためだろう。ただしPythonは、バックエンドシステムの自動化でも広く使用されているようだ。
SlashDataは、「これに比べ、データサイエンスと関連するもう1つの言語である『R』を使用している開発者は、わずか17%だ」と述べている。
また同社は、コミュニティの絶対的な規模こそPythonよりも小さかったものの、過去12カ月間でもっともコミュニティの成長率が高かった言語としてRustとLuaを挙げた。
2月には、Rustのための独立した財団「Rust Foundation」が設立された。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Googleらがメンバーとしてサポートしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。