食品工場の衛生状態や品質を遠隔管理--ノーコードでアプリを開発

藤代格 (編集部)

2021-05-03 07:00

 「京都祇園ボロニヤ」などの手作りパンを製造、販売するとともにフランチャイズチェーン(FC)事業も運営するボローニャFC本社(従業員数17人)は、ノーコードでアプリを構築できる「カミナシ」を活用。

 必要な各種記録をクラウドで管理し、多拠点展開における衛生、品質管理を可視化しているという。4月28日、サービスを提供するカミナシ(千代田区)が発表した。

 食品工場の衛生管理関係の情報を紙で記録しており、顧客から品質に関する問い合わせがある場合は都度各工場から記録内容を取り寄せていたという。メールやファクスを活用し、顧客を待たせることもあったと説明。取引先の工場視察時がある際は、倉庫に保管する帳票を探し出して提出することもあったとしている。

 食品の中に潜む危害要因の科学的な分析で除去できる工程を常時管理、記録するHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)の2021年6月の完全義務化を見据え、3~4社の製品を比較検討。

 遠隔地の記録を即座に閲覧できるクラウドサービス、他製品の約3分の1程度の価格などを決め手に、9社あるFC加盟企業の1社であり、中国や四国、九州地域で販売するとともに、自社で運営する九州工場で製造する、ボローニャFC本社の代表がオーナーを兼任するボローニャマックス(佐賀県三養基郡、従業員数40人)へ導入したという。

 東京にいながら九州工場の衛生管理記録がクラウドから閲覧でき、年10回の出張が半減。顧客からの問い合わせ、取引先の工場視察時などでも即座な記録検索ができるとしている。

 紙の帳票に◯を付けるという流れ作業になっていた確認業務は、一つひとつの項目をカミナシで確認、記録する形に移行。より入念な衛生チェックになるとともに、紙の帳票を削減しているという。工場内でボールペンなどを使用する機会も減り、食品への異物混入リスクが低減したと説明。台風による水害が多く発生する地域にあるため、クラウドでの管理がデータ消失リスク防止にもなるという。

 カミナシは、紙やExcelでの集計、報告作業を代替えできるアプリをノーコードで構築可能。状況を可視化できるダッシュボードや権限管理機能、業界別のテンプレートなどを活用でき、正しい作業ナビゲーションの徹底、リアルタイムなデータの一元管理などができるという。

 利用は10アカウントからで、税別月額利用料は6万円から。

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