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COBOLは死んでいない--専門家が語る用途や需要、教育の必要性

ZDNet Japan Staff

2021-05-02 08:00

 業界の人々から読者の皆さんにメッセージがある。COBOLは死んでいない。彼らは、同プログラミング言語にもはや有用性がないという考えに怒りを覚えている。

 COBOLは「健在であり、その仲間であるメインフレームも同じだ」。ノーステキサス大学の情報システム学教授であるLeon Kappelman氏はこのように語る。

 理由の1つは、「それらを置き換えるビジネスケースがない」ことだとKappelman氏は述べた。

 一部の見積もりでは、今なお200兆行のコードが存在するとされている。「その2200億行という数字の方が近いとしても、置き換えるコストは現在、4兆〜8兆ドルになるだろう。もっと多いかもしれない」と同氏は語る。Kappelman氏によると、これらは大規模なソフトウェアシステムであることが多く、置き換えにはリスクが伴うという。

 「また、何に置き換えるのか、という問題が常に存在する。COBOLが開発された主な目的は、取引を処理してレポートを生成するシステムを構築することだった」と同氏は述べ、それが当時コンピューター化されていた主なタイプのプロセスの1つだったと指摘した。

 COBOLシステムは「かなり構造化されており、とても保守しやすい」とKappelman氏。「大量の取引を効率的かつ迅速に処理できる、銀行、証券会社、保険会社、政府機関のバックオフィスシステムを想像してほしい。これは単なるオーバーヘッドであり、それらを置き換えることの戦略的な価値は、あったとしてもあまり大きくはない」

 「COBOLは広く利用されているだけでなく、今後も存在し続けるだろう」。こう語るCameron Seay氏は、ノースカロライナ州イーストカロライナ大学の非常勤教授で、COBOLの講義を担当し、Open Mainframe ProjectのCOBOL Working Groupの共同チェアを務める人物だ。

 Seay氏もKappelman氏と同様に、COBOLシステムを使用しているのは主に金融サービス組織と米連邦政府だが、小売業界でも広範に使われている、と述べた。

 COBOL Working Groupが実施している調査の初期の段階で明らかになったのは、多数の小売業者がPOSでのクレジットカード取引の処理にCOBOLを使用していることだ、とSeay氏は語る。「WalmartがCOBOLを使っていることや、TargetとHome Depotがメインフレームを使用していることが分かっている」。それらのメインフレームの大半でCOBOLが使われているという。

当面は需要が安定

 COBOLの需要は「中規模」であり、需要の一部は、多数の失業保険申請やパンデミック支援に関連するその他のトランザクションを処理するためにCOBOLベースのシステムを利用している政府機関から発生している可能性が高い、とDiceの最高経営責任者(CEO)のArt Zeile氏は語る。

 全米の膨大な数の求人情報を収集および分析しているBurning Glass Technologiesは、COBOLスキルの需要が今後10年間で13.6%減少すると予測しており、その背景には、データをレガシーシステムからクラウドなどのインフラストラクチャーに移行する組織が必然的に増加していることがある、とZeile氏は指摘した。

 「とはいえ、現在のところ、COBOLスキルを持つ人の給与の中央値は9万2086ドルで、COBOLが古いプログラミング言語であることを考えると、これはかなり高い額だ」と同氏。COBOLの経験が10年以上ある人は、10万ドル近い給与を得ている場合もある、とZeile氏は言い添えた。

 Diceは、COBOL関連の求人需要が一定のレベルで存在していることを、ジョージア州(過去12カ月で1517件)、テキサス州(過去12カ月で1393件)、カリフォルニア州(過去12カ月で1128件)、ノースカロライナ州(過去12カ月で1086件)、ニューヨーク州(過去12カ月で1058件)で確認している。

 COBOLスキルを持つ技術者を多く雇用している組織には、IBM、Fiserv、Amazon、Travellers、Citiなどがある。他の機関と同様に、銀行などの大規模な機関も、COBOLを実行するレガシーシステムを少なくとも数台保有している可能性が高い、とZeile氏は述べた。

 メインフレーム上で実行されるCOBOLは、パンデミック下でその価値を証明した。たとえば、2020年にニュージャージー州で失業保険申請が急増したことを受けて、Phil Murphy知事がCOBOLの経験を持つプログラマーに、レガシーシステムのサポートをボランティアで手伝ってほしいと呼びかけ、同州の技術者たちが協力を申し出た。この事例は、「使用方法の訓練を受けた技術者が大勢いるシステムを運用することがいかに重要かを思い起こさせた」とZeile氏は語る。

古い言語であることの問題点

 COBOLとメインフレームは何十年も前から存在しているため、多くのプログラマーが引退し始めており、それによってスキルを持つ人が不足するようになるだろう。Society for Information Managementの「2020 IT Trends Study」レポートによると、回答者はIT従業員の7%が今後5年間で退職すると見込んでおり、この割合は2019年の7.1%、2018年の6.9%と同等の水準だという。

 ただし、同レポートでは、特定のスキル(たとえばレガシーアプリケーション、メインフレーム、COBOLなど)が退職によってどの程度の悪影響を受けるかは不明だとされている。Seay氏によると、COBOL Working Groupの調査に回答した人の約45%は、業界に30年以上身を置いていると答えたという。「非常に近い将来、COBOLプログラマーが必要になる見通し」だが、ほとんどの大学はこのプログラミング言語を教えていない。

 Seay氏によれば、ノースカロライナ大学群の17校の大学のうち、COBOLの講義があるのはイーストカロライナ大学だけだという。幸い、「私の講義は毎学期、満員だ」と同氏は述べた。Seay氏は大学の外でブートキャンプも運営しており、同氏が先ごろ開催したメインフレーム入門講座には、25人が参加した。

 Seay氏は、歴史的黒人大学(HBCU)が「このテクノロジーの発展の土壌になる可能性がある」と考えている。同氏は4校のHBCUでメインフレームのクラスを教えたことがあり、「4校すべてで非常に大きな反響があった。受講した学生の多くが仕事を得ている」と述べた。

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