【ラウンドアップ】
「競合製品の価格を調べるために、主要なECサイトでコピペして表計算ソフトに貼り付けて上司に提出」「外勤営業の活動状況を報告するために、営業担当者1人ずつ製品ごとや取引先ごとに数字を聞いて、その上で営業担当者ごと、製品ごと、取引先ごとの数字をまとめてグラフ化する」――。
やることが決まっている定型作業を日次や週次、あるいは月次でやることを想像すると、うんざりするかもしれない。こうした決まり決まった定型作業を自動化できるものとして日本企業でも活用されるようになっているのが、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ソフトウェアだ。直近だけでも、以下のような事例が報道されている。
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RPAで月1万5000件のデータ入力などを自動化--業務フロー見直しで業務を標準化
医療法人社団 高輪会は、毎月1万5000件のデータ入力などの作業を自動化して、年間2500時間を削減。自動化の効果を最大化するために業務プロセス改革にも取り組み、多くの分野で業務を効率化、標準化したという。
2021-04-15 -
管理システムへの情報転記をクラウド型RPAで自動化--ブラウザで開発、管理
医療法人社団 創輝会は、患者情報の管理システムへの転記作業などをRPAで自動化。クラウド型であることから、ウェブブラウザでロボットを開発、運用、管理できるという
2021-04-14 -
RPA活用でプロセスを可視化--社内ルールを変更、プロセス全体を最適化
アイングがUiPathのRPAツールを採用。自動化対象業務の発見を支援するツールも活用し、社内ルールも含めたプロセス全体を最適化している。
2021-01-15 -
ジェイズ、“現場が使える”RPA導入--プレッシャーから解放、休暇取得日も稼働
ジェイズ・コミュニケーションが、RPAソフト「EzAvater」を採用。業務をよく知る現場自らでの改革を選定ポイントに挙げている。
2020-12-24
手書きの帳票をどう処理するか
RPAで人間の手による手作業を機械化、自動化できるが、従来課題とされていたのが、人間が入力した手書き文字をどう処理するか、だった。枚数が大量で、枠が固定された定型の帳票にあるコンピューターで入力された文字や数字であれば、従来の光学文字認識(OCR)で対応できるようになっている。紙の枚数が大量なだけに、システム化できればメリットを得られるからだ。
一方で、数は大量でも、従来のOCRでは効率よく処理できなかったのが、手書き文字を対象にしたOCRだ。手書き文字であるだけに機械がどんな文字なのかを認識するのか、つまり正答率が低すぎるために、「人間が入力して確認した」方が効率がいいとされていた。