アクセンチュアと資生堂は5月11日、合弁会社「資生堂インタラクティブビューティー」を7月に設立することに合意したと発表した。2月9日に発表した両社間の戦略的パートナーシップによる資生堂のデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みをさらに加速していく。
資生堂は、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」でスキンビューティー領域を中核事業とする抜本的な経営改革を実行し、2030年までに同領域における世界のトップ企業になることを目指しており、その一環として「デジタルを活用した事業モデルへの転換・組織構築」を掲げている。
新会社は、資生堂が掲げる中期経営戦略に基づき、ビューティー領域に特化したデジタル/ITの専門家集団として、資生堂だけでは成し得ないスピードとイノベーションで新しいビューティー体験を実現するという。また、社外からも積極的に人材を登用し、資生堂のDXを加速させる。さらに、アクセンチュアが提供するデジタル/IT分野のトレーニングプログラムを資生堂のニーズに合わせて最適化し、高度なスキルを持つ社員の育成を図ることで、資生堂全体のデジタル/IT能力の向上にも貢献していく。
新会社は、データとテクノロジーを駆使したデジタルマーケティングの強化やオンライン/オフラインの融合により、これまでになかったビューティー体験を実現する。例えば、顧客がオンラインや店頭などで行った肌診断やバーチャルメイクアップ診断履歴をデータベースに蓄積。この履歴データを分析して、時間や場所を自由に選択できるカウンセリングやレッスンのメニューを提案するなど、拡張現実(AR)などの最新技術も活用し、 顧客一人ひとりに合わせてパーソナライズされたサービスを、生涯にわたりさまざまなコンタクトポイントで提供することが可能になる。
また、既存システムのクラウド移行をはじめとするクラウドファースト戦略を推し進めることで、IT機能の拡充と柔軟なシステム基盤を迅速に構築し、資生堂の既存IT投資およびメンテナンスコストの投資効率を高めるとともに、事業スピードとデータによるビジネス判断の迅速化を実現する。
資生堂インタラクティブビューティーは、 資生堂が過半を出資する形態で2021年7月に設立され、両社のデジタルやIT領域などの専門家の約250人で構成される予定。