Microsoftは「Windows用Rust」の最新版であるバージョン0.9を公開した。
Windows用Rust(旧称「Rust/WinRT」)は、Rustから「Win32」、「COM」(Component Object Model)、「WinRT」などのさまざまなWindows APIを呼び出せるようにすることで、簡単にWindowsアプリを開発できるようにするために作られたものだ。
Windows用Rustは、2020年5月にリリースされたWindowsでRustを使用するための言語プロジェクションで、現在はまだプレビュー版だ。
MicrosoftやAmazon Web Services(AWS)、Google、Facebookなどの企業は、古いC++のコード資産を生かしつつ、Rustのメモリー安全性を活用することを目指している。
Windows用Rustは、Microsoftが提供している「C++/WinRT」を参考にしており、Rust開発者が「Windows APIを呼び出すための自然で使い慣れた表現」を利用できるようになっている。
MicrosoftのプログラムマネージャーであるAngela Zhang氏は、バージョン0.9のリリースについて発表するブログ記事で、Rust/WinRTがプレビュー版としてリリースされた後に加えられた主な変更点について説明している。
その中で同氏は、このクレート(バイナリー、ライブラリー、ビルドされるソースコードを表すRustの用語)にWin32とCOMのAPIが統合されたことに伴い、「カバーされる範囲が広がり、Windowsの各種APIが統合されたため、プロジェクトの名称を『Rust/WinRT』から『Windows用Rust』に変更した」と述べている。
Windows用Rustを利用するための「windows」クレートは、crate.ioにMITライセンスとApacheライセンスのデュアルライセンスで公開されている。
またMicrosoftは、今回のリリースに合わせて、開発者が新たにサポートされたWin32のAPIを利用して簡単なアプリを作る手順を説明する動画を公開した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。