マイクロソフト、5月の月例パッチ公開--ゼロデイ脆弱性も修正

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-05-12 12:01

 Microsoftは米国時間5月11日、月例セキュリティパッチ「Patch Tuesday」をリリースした。今回のパッチでは、「Critical」(緊急)に分類された4件を含む55件の脆弱性が修正されている。ゼロデイ脆弱性も3件含まれているが、悪用された事例は報告されていない。

 影響のある製品は「Internet Explorer」や「.NET Core」「Visual Studio」「Windows 10」「Microsoft Office」などだ。5月のセキュリティアップデートについて、Microsoftのサイトで詳細を確認できる。

 今回修正されたゼロデイ脆弱性は以下の通りだ。

  • CVE-2021-31204:「.NET」製品やVisual Studioに存在する、権限昇格の脆弱性
  • CVE-2021-31207:「Microsoft Exchange Server 」に存在する、セキュリティ機能を回避する脆弱性
  • CVE-2021-31200:共通ユーティリティーに存在する、リモートコード実行(RCE)の脆弱性

 Zero Day Initiative(ZDI)は「CVE-2021-31166」について、「最も興味深い脆弱性の1つ」だとして、以下のように説明している。

 CVE-2021-31166:HTTPプロトコルスタックに存在する、RCEの脆弱性

 今回のパッチにより、権限を持たない攻撃者が遠隔地からカーネルモードでコードを実行できるようになるという脆弱性が修正される。この脆弱性を利用する攻撃に必要なのは、脆弱性を保持しているサーバーに特殊な細工を施したパケットを送信することだけだ。そのため、この脆弱性はワームの侵入につながるものであり、Microsoftもその点について注意喚起している。Windows 10はウェブサーバーとして設定することも可能であるため、影響が及んでいる点を無視することはできない。検証と配備に向けた作業リストの最優先事項にしておくことを強く推奨する。

 またZDIは「Hyper-V」に存在するRCEの脆弱性について、共通脆弱性評価システム(CVSS)のセキュリティスコアが9.9だとして注意を喚起している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]