本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)が提供する「AI密集アラート」サービスを取り上げる。
独自のクラウド映像解析技術とネットワークカメラを活用
キヤノンMJは先頃、公共施設や店舗において、キヤノン独自のクラウド映像解析技術とネットワークカメラを活用し、密集回避を支援するサービス「AI密集アラート」を提供開始すると発表した。
国内においては東京や大阪など6都道府県で緊急事態宣言が延長、拡大され、新型コロナウイルス感染症に対する感染拡大防止対策が一層強く求められている。特に多くの人が集まる施設や店舗においては、これまで以上に密集を避ける取り組みの強化が急務となっている。今後は施設運営者による密集回避の対策はもちろん、施設利用者に自発的な行動を促すことも重要となってくる。
こうした課題に対応するため、キヤノンMJはキヤノン独自のクラウド映像解析技術とネットワークカメラを活用し、公共施設や店舗に加えオフィス、医療施設などの混雑状況を可視化するとともに、メール通知することで密集回避を支援するAI密集アラートサービスを提供することにした。
AI密集アラートサービスは、ネットワークカメラで撮影した対象エリアの混雑状況を、施設運営者へリアルタイムにメールで通知することで、施設利用者を誘導するなど迅速な密集回避策の実施を可能にする。さらにタブレットからサイネージ表示することで、施設利用者に対して混雑時間を避けた来場を促し、密集回避を促進する。(図1)
図1:AI密集アラートサービスの概要。同サービスの利用には別途「VisualStage Type-S」の加入が必要(出典:キヤノンMJ)
同サービスはキヤノン独自の映像解析技術により、小規模から1000人程度の大規模施設まで対応できる。さらに、クラウドサービスのため、初期費用を抑えながら設置から稼働までの時間を短縮することができ、手軽かつ迅速な環境整備が可能だ。基本となるクラウド型録画サービス「VisualStage Type-S」、およびAI密集アラートはともに月額定額サービスで、導入後の拡張も容易に行える。AI密集アラートサービスの税別月額利用料金は3980円。
なお、提供開始と同時に、新型コロナウイルス感染症対策支援を目的として、月額利用料金を最長2カ月間無償とするキャンペーンを実施している。
同社は2000年よりコロナ禍におけるオフィスの密集回避や非接触の遠隔業務支援、医療機関向け遠隔モニタリングなど、感染拡大防止対策を支援するソリューションを提供してきた。今回のサービスも含め、今後もニューノーマル時代の施設運営をサポートしていく構えだ。