AI密集アラートを生かせる4つの利用想定シーン
以上が発表の概要だが、今回この新サービスを取り上げたのは、収まる気配のない新型コロナウイルス感染症に対して、ワクチンや治療薬もさることながら、デジタル分野を取材する記者として、テクノロジーの力によって立ち向かっていくベンダーの姿勢を記したかったからだ。
キヤノンMJはAI密集アラートの主な利用想定シーンとして、次の4つを挙げている。
一つ目は、役所など公共施設において、窓口の混雑状況をタブレットからサイネージ表示し、施設利用者に対して混雑時間を避けた来館を促し密集回避を促進する。また、災害発生時には、避難所の混雑状況を可視化し施設管理者にメール通知することで、避難者の誘導などスムーズな対応を支援する。
二つ目は、飲食店や商業施設のフードコートにおいて、店内の混雑状況をタブレットからサイネージ表示し、施設利用者に自発的な密集回避を促す。施設管理者は誘導スタッフの配置や入場制限を行うなど、密集回避策をとることが可能となる。(写真1、写真2)
写真1:商業施設での密集回避を支援(出典:キヤノンMJ)
写真2:混雑状況通知イメージ(出典:キヤノンMJ)
三つ目は、オフィスにおいて、会議室や食堂などの混雑状況をPCやタブレットからサイネージ表示して可視化することにより、社員が密集を避ける行動をとれるようになる。
四つ目は、病院や介護施設において、病院の待合室や介護施設の共有スペースの混雑状況を管理者が把握し、利用者を誘導するなどの対策を行うことができる。
冒頭でも述べたが、この新サービスには、クラウドや人工知能(AI)を活用した映像解析技術やネットワークカメラなどの最新テクノロジーが適用されている。デジタルをコロナ対策に、もっと生かしたいものである。