アイルランドの公的医療サービスを提供する保健サービス委員会(HSE)は、ITシステムがランサムウェア攻撃を受けたことを明らかにした。攻撃からシステムを保護するための措置として、すべてITシステムを停止したという。HSEは「深刻な」ランサムウェア攻撃だと説明している。
HSEは、「HSEのITシステムに対する重大なランサムウェア攻撃が発生している。この攻撃からITシステムを保護し、われわれのセキュリティパートナーと状況を完全に評価できるようにするために、すべてのITシステムをシャットダウンする予防策を講じた」とツイートした。「患者や一般の人々に迷惑をかけることをお詫びする。詳細が分かり次第お伝えする」(HSE)
HSEによると、アイルランドの新型コロナウイルスワクチン接種プログラムは今回のランサムウェアインシデントの影響を受けておらず、国立救急車サービス(NAS)は通常通り機能しているという。
サイバー攻撃が原因で、一部の外来患者の予約がキャンセルされている。産科、新生児科、婦人科の診療を行っているダブリンのロタンダ病院は、妊娠36週以降の女性を除き、「重大なITの問題のために、本日すべての外来診療がキャンセルされる」としている。
HSEは初期の評価を受け、HSEのセキュリティプロバイダーが目にしたことのない「Conti」ウイルスの亜種が関与していることが分かったとしている。身代金を求められたが、州の方針に基づき支払わないという。HSEの最高責任者であるPaul Reid氏によると、HSEは現在、アイルランド国防軍、警察、サードパーティーのサイバーセキュリティ専門家らと協力している。
The Irish Timesによると、Reid氏はアイルランド放送協会(RTÉ)のMorning Irelandに、今回の攻撃は「重大」だと話した。また、「人の手による」ランサムウェアだという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。