プログラミング言語「Rust」、2021年版のリリース予定が明らかに

Liam Tung (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-05-17 11:56

 Rust 2021 Edition Working Groupは、プログラミング言語「Rust」の3つ目のエディションである「2021 Edition」のリリーススケジュールを発表した。

 同ワーキンググループの発表によれば、2021 Editionは2021年10月にリリースされる。今回のエディションは「Rustの使用感を大きく改善する」ものになるという。

 今回のエディションでは後方互換性を破る変更点が幾つか導入されるが、同ワーキンググループは、変更が及ぼす影響を最小限にとどめると述べている。今回発表されたブログ記事では、Rustの設計が、新しいエディションの導入による後方互換性の問題にどう対処しているかについて説明している。

 Rustのコントリビュータ―であるMara Bos氏は「この問題を解決するための仕組みがエディションだ。後方互換性がない機能をリリースする際には、Rustの新しいエディションの一部としてリリースしている」と述べている。

 Rustがバージョン1.0に到達したのは2015年のことで、その後この言語はシステムプログラミングでよく使われるようになっている。Rustを生み出したのはMozillaだが、現在の開発はオープンソースプロジェクトとして進められている。新しい機能の導入は、Rustのパッケージマネージャーであり、クレート(ほかの言語で言うライブラリー)を利用するための仕組みである「Cargo」を利用して行われる。

 「エディションはオプトイン方式で導入されるため、明示的に新たなエディションに移行するまでは、既存のクレートが新しい変更点の影響を受けることはない」とBos氏は説明している。

 「私たちの目標は、各クレートを簡単に新しいエディションにアップグレードできるようにすることだ。新しいエディションがリリースされる際には、移行を自動的に行うためのツールも提供する。このツールは、ユーザーが使用しているコードに、新しいエディションに対応させるために必要な小規模な修正を加える」(Bos氏)

 また、開発者に問題が発生する可能性がある変更点を説明する「エディション移行ガイド」も提供される。

 Rust 2021 Editionでは、プレリュードにトレイトを追加することで既存のコードに不都合が発生するような状況に対応するために、標準ライブラリーに新しいプレリュードが導入された。

 また、Cargoの新機能リゾルバーがデフォルトで有効になるほか、「IntoIterator」を配列で使用できるようにする変更、クロージャーのキャプチャー対象の切り離し、panicマクロの整合性に関する修正、将来導入する新機能のための構文の予約などの変更が加えられた。

 Bos氏は、Rustプロジェクトは有志によって運営されていることから、リリースが10月以降にずれ込む可能性もあると述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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