IDC Japanは5月17日、ユニファイドコミュニケーション(UC)/コラボレーティブワークスペースの国内市場予測を発表した。
売上額をベースとした2020年の前年比成長率は8.7%で、市場規模は4084億7800万円。新型コロナウイルス感染症の流行拡大による“三密(密集、密接、密閉)”回避の必要性から需要が増加したという。
顧客や従業員の行動様式変化に伴うユーザー企業の抜本的な働き方改革、デジタル空間での顧客エクスペリエンスの向上施策などを成長要因に、ウェブ会議やコンテンツ共有サービスなどで構成するコラボレーティブワークスペースを中心に高い成長率で推移したとしている。
一方、中小企業や流通、サービス、公共などの体面を前提としてきた業務が多い業種の在宅勤務では、いまだ相対的に導入率が低いという。
「働き方改革、在宅勤務促進」の項目で投資を強化する企業は多いが、在宅勤務では「顧客とのアポイントメント調整や提案」「社内メンバーへの教育と業務進捗確認」「社内外関係者との調整業務」といった調整、相手方の反応に応じる業務での生産性低下を挙げる割合が高いというIDCの調査もあり、デジタルワークスペース活用の高度化が必要と説明している。
リモートワークの適用範囲拡大、高度化、ウェブ会議をはじめとした非接触ソリューションに蓄積したデータ分析と活用の需要が拡大し、2021年以降の市場は堅調に成長。2020~2025年の年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)を4.0%、2025年に4968億1500万円になると予測している。内訳はUC市場がCAGR0.9%、2025年に1760億4100万円。コラボレーティブワークスペース市場がCAGR6.0%、2025年には3207億7400万円。
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IDC Japanでソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストを務める太田早紀氏は「国内UC/コラボレーティブワークスペース市場が今後も成長するため、ITサプライヤーは中小企業へのリモートワーク導入サポートやユースケース拡大、デジタルワークスペース活用の高度化を通じた継続的な働き方改革支援、非接触ソリューションに蓄積したデータ活用による新たな事業機会の開拓といった、継続的なデジタルワークスペース活用の向上を検討すべき」とコメントしている。