AIモデルやIoT、デジタルツインなど--DX進める中堅中小企業の実際 - (page 3)

阿久津良和

2021-05-18 06:30

 担当者は「中堅企業を取材して長期戦になることは覚悟している」と述べつつも、経済産業省 北海道経済産業局の戦略的基盤技術高度化支援事業へ応募し、経済産業省次世代ソフトウェアプラットフォーム実証事業への応募も検討中。低価格化と企業連合化を目的に公的予算の獲得を目指している。

SF Twin SILの概要 SF Twin SILの概要
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AI分析結果から社内向け予測データ生成を目指すピーチ・ジョン

 女性向けの下着などを製造、販売するピーチ・ジョン(港区、従業員数約480人)は社内DBから取得したデータから、AIが最適な計算方法を算出して社内ポータルサイトにEC需要予測や店舗受注予測など各予測結果を提示する仕組みを考案している。

 その理由として担当者は「分析時はSQLを書く必要があり、社内の隅々にAIの恩恵が伝わらない。IT能力を問わずに従業員が数ステップで使える仕組みを提供する」のがプロジェクトの趣旨だと説明した。

 同社は需給予測や需給予測に基づいた、最適な在庫数量の算出をゴールと定めているが、容易な過程ではないと説明。すでに購買情報や在庫情報、ECサイトの検索データなど分析対象データの調査を終え、データの分類やPythonで対になるデータ同士を比較して相関係数を算出する、

 データ解析ライブラリー「pandas」のcorrwithで算出済み。現在は「ECサイト商品説明分のベクトル化」「コサイン類似度の測定」に取り組んでいる。

ピーチ・ジョンのシステム概要図 ピーチ・ジョンのシステム概要図
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 担当者は「一番の課題としているのが新商品の販売需給予測。助言者からのアドバイスで、ECサイトの商品概要の文章をベクトル化してコサイン類似度を測定する自然言語分析を用いた」と説明。同社は商品の類似性を販売前に把握できる可能を見極めながら調査を継続する。

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