アクセンチュアは5月19日、アクセンチュア インタラクティブ傘下のクリエイティブエージェンシーであるDroga5が東京オフィス「Droga5 Tokyo」を開設したと発表した。日本を含むアジア太平洋地域をはじめ、世界の顧客に対する提供体制を強化する。
Droga5 Tokyoのチーフクリエイティブオフィサーに就任した浅井雅也氏は会見で、「全てのブランド体験をつなぐクリエイティビティー」をビジョンに掲げ、「クリエイティブの力で日本や世界のブランドをより意味のある、価値のあるものにしていく」と意気込みを語った。
また、日本にはパーパスが明確になっておらず、アクションに一貫性がないブランドや企業が数多くあるといい、Droga5 Tokyoではブランドの存在意義や提供価値を言語化し、一貫性のあるアクションにつなげていくことで、日本のブランドに変革をもたらすとした。
Droga5は、2006年にニューヨークで創業したクリエイティブエージェンシーで、2013年にロンドンへ進出し、2019年にアクセンチュアインタラクティブの傘下に入った。東京オフィスは3つ目の拠点で、アジア初となる。グローバルでの従業員数は500人超になる。
Droga5 Tokyoでは、マーケティング、ストラテジー、デザイン、インプリメンテーションの領域を取り扱い、クライアントごとに最適なソリューションを提供するとしている。
Droga5 Tokyoのジェネラルマネジャーを務めるChris Burgess氏は、同社の理念として「CREATIVELY LED(クリエイティビティー)」「STRATEGICALLY DRIVEN(ストラテジー)」「SYSTEMS THINKERS(システム思考)」「HUMANITY OBSESSED(人々のために)」の4つを紹介し、「21世紀で最も影響力のあるビジネスやブランドを生み出し、輝かせ続ける」ことがブランドパーパスであると説明した。
Droga5 Tokyoのストラテジーリードに就任したDan Ng氏は、ブランドパーパスを「一貫したアクションを生み出すミッションや価値の表現」だといい、その目的はブランドが世の中に提供する本質的な価値を定義し、一貫性のある組織やブランド体験を構築することにあるとした。
同氏は、グローバルの事例を幾つか紹介。米新聞大手のThe New York Timesは「真実を追求する」をブランドパーパスに定めることで、デジタル版の有料定期購読数を倍増させ事業目標を上回る成功を実現したという。また、米レストランチェーンのIHOPはブランドパーパスを「ファストカジュアルレストランの常識をひっくり返す」と定義し、業界全体が7%の下落となる中で2年連続の成長を達成したとする。
最後に、アクセンチュア 執行役員 インタラクティブ本部 統括本部長の黒川順一郎氏は、「日本企業はブランド体験のリバイバルが必要。ブランドとそれを体現する「体験」を継続的に提供しなければならない」と述べた上で、アクセンチュアでは「ブランドパーパスに基づき、生活者の期待を満たす体験を継続的に提供するための企業全体の変革を“BX”(The Business of Experience)と呼んでいる」と語った。
「クリエイティブ、ビジネスコンサルタント、テクノロジーそれぞれの領域におけるトップタレントが同じ目線をもって協働し、ワンチームでクライアントのBXを具現化する」(黒川氏)