アカマイ、多要素認証機能のクラウドサービスを開始

國谷武史 (編集部)

2021-05-19 17:27

 アカマイ・テクノロジーズは5月19日、多要素認証機能のクラウドサービス「Akamai MFA」の国内提供を開始したと発表した。FIDO2に準拠し、スマートフォンの専用アプリで利用できるようにもしている。

 新サービスは、単体もしくは同社のID認識型プロキシーサービスの「Enterprise Application Access(EAA)」と組み合わせて利用できる。汎用的なスマートフォンも使えることで導入のハードルを下げているほか、エンドツーエンドの暗号化などにより、認証途中に認証情報の窃取を狙う中間者攻撃への耐性を高めている。

 スマートフォンへのプッシュ通知のほかに、ワンタイムパスワードや電話、SMS(ショートメッセージサービス)など複数の認証方式を選択でき、ユーザーに応じて柔軟に対応できるとしている。IDプロバイダーサービスでは、EAAのほかOktaとMicrosoft ADFS(Active Directory Federation Services)、Shibbolethに対応する。

 同社エンタープライズセキュリティ アジア太平洋地域シニアプロダクトマーケティングマネージャの金子春信氏によれば、企業の業務で使うSaaSが普及し、コロナ禍に伴う在宅勤務も拡大していることを背景に、2020年は認証情報を窃取するフィッシング詐欺で企業を狙うケースが急増している。詐欺を実行するためのプログラムを不正に販売したり、詐欺行為を代行する有償サービスも提供したりされているため、詐欺自体も増えているという。

 多要素認証のサービスはさまざまなものが既に提供されており、アカマイでは他社の仕組みなどを組み合わせることで多要素認証の機能自体を使えたが、上述の背景があり、今回はより使いやすく堅牢な仕組みを同社のサービスとして提供するに至ったとしている。

デモンストレーションでのUI
デモンストレーションでのUI

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2023年OTサイバーセキュリティの現状レポート--75%の組織が過去1年間に1回以上の侵入を経験

  2. セキュリティ

    サイバーセキュリティ強化に向けてマイクロソフトが示す実践的な指針を紹介

  3. セキュリティ

    5分でわかる「AWS WAF」--基礎知識から運用で陥りやすい3つの落とし穴までを徹底解説

  4. セキュリティ

    最前線で活躍するトップランナーと本気で考える、これからのサイバーセキュリティ

  5. 経営

    ガートナーが指南、迅速な意思決定を促す「AI」活用を実践する3つの主要ステップ

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]