Googleによると、「Google Play」ストアの新規アプリは、8つに1つの割合で「Flutter」を用いて開発されているという。
FlutterはオープンソースのUIフレームワークであり、これを利用すれば単一のコードベースで「Android」や「iOS」「Linux」「macOS」「Windows」「Google Fuchsia」向けのアプリを動作させることが可能になる。
同社は「Google I/O 2021」で「Flutter 2.2」のリリースを発表した。この新バージョンでは、AndroidアプリやiOSアプリで「Google Pay」機能を利用可能にする新たな決済プラグインを導入するほか、「Google Mobile Ads SDK」がアップデートされ、新たなバナーフォーマットに対応している。
Flutter 2.2には、WindowsやmacOS、LinuxといったデスクトップOSでアプリを実行させるためのプロセスの効率化も含まれている。
「Flutter 2」ではモバイルアプリと、デスクトップ/ウェブ/組み込みアプリの橋渡しを目指していたと形容できるのであれば、今回のFlutter 2.2はマネタイゼーションとクラウドサービスとの統合を目指すものだといえるだろう。
Flutterはクロスプラットフォーム開発者の間で人気の高いフレームワークとなっている。WeChat、字節跳動(バイトダンス)、BMW、SHEIN、Grab、DiDiなどの企業がFlutterを利用している。
Flutter 2.2での主なアップデート内容は以下の通りだ。
- Android向けとしては、バックグラウンドキャッシング機能やDeferredコンポーネントによるパフォーマンスの向上が図られている。またiOS向けとしては、初回実行時のエラーを低減させるためのツールが提供されている。
- 「DevTools」スイートに対して、メモリー割当の追跡機能と、サードパーティーツールの拡張機能のサポートが追加されている。
- 新たな広告用SDKがアップデートされるほか、Google Payチームとの連携により、新たな決済プラグインが導入される。これにより、iOSとAndroidで物理的な商品の決済が可能になる。Flutterのチームは、Googleのほかのチームと連携し、Flutterを広範な開発者スタックに統合しており、開発者がアプリを収益化できるよう、信頼できるサービスの構築を続けているとしている。
- 「Dart 2.13」を介したネイティブな相互運用性のサポートが拡充されている。
Flutterのプラットフォームは、Microsoftやサムスン、Adobeなどのパートナーとの連携による利点についても触れている。Microsoftの「Surface」チームはFlutterで折りたたみのエクスペリエンスを開発しているほか、「Windows 10」向けに開発されたUWPアプリを対象とするFlutter対応のアルファリリースを提供する。サムスンは、Flutterを「Tizen」に移植している。Adobeは最新の「XD to Flutter」プラグインを提供している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。