リクルートは、新社屋事務所内にオープンした従業員向けコンビニエンスストア「BeeThere Go」にレジレスシステムを導入した。同システムには、人工知能(AI)を活用したレジレスソリューション「Zippin」が用いられている。システムの開発/導入を担当した富士通が発表した。
タッチレス無人コンビニエンスストア「BeeThere Go」(出典:富士通)
Zippinは、米国発スタートアップ企業Vcognition Technologiesのソリューション。なおBeeThere Goは、ストアシステムを持たない新規小売業参入企業KS LINKが運営する。
導入されたレジレスシステムでは、カメラや棚センサーなどのIoT機器とクラウド上のAIを組み合わせることで、来店客の動きや購入商品を判別し、自動で決済を行う。これにより、レジ待ちのストレスが無い、素早い購買を実現するとともに、来店客と店舗の従業員との接触機会を減らす。
また、月週日別の売り上げの確認や日常的な商品の価格変更などを簡単に管理ウェブ画面から行える新機能を提供し、店舗の従業員の作業を省力化することで、日々の売り上げに応じた柔軟な販売施策の実施が可能になるという。
来店客は、富士通が開発したスマートフォンアプリ「BeeThere Go」を事前にダウンロードし、クレジットカードの情報を登録した後、アプリで表示されたQRコードを入口ゲートのセンサーにかざして入店する。
入店後の来店客の動きや購入商品は、店内に設置されたカメラや棚センサーなどを通じて収集されたデータをクラウド上のAIで処理することで判別する。これにより、来店客は購入したい商品を手に取り、そのまま退店するだけで自動的に決済が完了し、退店後にスマートフォンに送られる電子レシートで購入履歴を確認することができる。
富士通は今後、来店客の利便性向上とレジレス店舗運営のさらなる省力化に向け、商品マスターを効率的に登録するための運用機能などを追加する。また、棚センサーを使ったレジレスソリューションでは難しいとされる冷凍食品の販売の実験的取り組みを支援するなど、KS LINKと共にリクルートの従業員のニーズに沿った多彩な商品展開に対応していく。