セールスフォース、顧客ロイヤルティーを一括管理するクラウドサービス提供

阿久津良和

2021-05-24 06:45

 セールスフォース・ドットコムは5月20日、記者会見を開催。「Salesforce Industry 360」を解説した。「Salesforce Customer 360」上に構築したIndustry 360は米国本社が2020年10月下旬に発表し、既存の金融業向けやヘルスケア向けといった業種別ソリューションを包括している。

 同社はSalesforce Industry Cloudで利用可能なSaaSとして、金融業向けの「Financial Services Cloud」、営業部門と業務部門の連携を図る「Manufacturing Cloud」、小売業向けの「Consumer Goods Cloud」を提供している。

 2020年6月に買収を終えたVlocity製品を加えることで、顧客のユーザー体験を向上させる「Communications Cloud」、顧客接点の強化を図る「Media Cloud」、個人と法人の顧客にサービスを提供する「Energy & Utilities Cloud」を追加。ここへ新たに顧客ロイヤルティーを管理する「Loyalty Management」を追加した。

 同社 常務執行役員 インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 今井早苗氏は「(環境変化に追従する)企業にとって迅速な変革は喫緊の課題。顧客自身もヘルスケアや金融サービスに対して『オンラインで対応してもらえないのか』と考えている。最速かつ安心・安全で対応するには、Industry 360の選択が最大の近道」と主張した。

(左から)常務執行役員 インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 今井早苗氏、インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 小売消費財 シニアマネージャー 国本久成氏、マーケティング本部 プロダクトマネジメント シニアマネージャー 山下義憲氏
(左から)常務執行役員 インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 今井早苗氏、インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 小売消費財 シニアマネージャー 国本久成氏、マーケティング本部 プロダクトマネジメント シニアマネージャー 山下義憲氏

 Loyalty Managementは同日から一般提供を開始。法人顧客を対象にした「B2B Loyalty Management」は一組織あたり年間4320万円、個人顧客を対象にした「B2C Loyalty Management」は一組織あたり年間5040万円で利用できる。

経済と感情の両面で顧客に接する

 個人や法人も含めて顧客がブランドや商品・サービスに対して、信頼感や愛着を持つことを指す“顧客ロイヤルティー”の重要性は改めて述べるまでもない。

 セールスフォース インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 小売消費財 シニアマネージャー 国本久成氏は顧客ロイヤルティーについて、「ポイントや割引、クーポンといった経済的側面に依存する傾向が強い。本質的な顧客ロイヤルティーを獲得するには、一貫性やユーザー体験、パーソナライズ化といった感情も必要。特別な顧客として扱われていることを伝えるには、経済と感情の両面から顧客に接しなければならない」と指摘、Loyalty Managementの有用性を強調した。

Loyalty Managementの設定画面 Loyalty Managementの設定画面
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