ビジネス部門主体で改革進めるAGC 化学品カンパニー
Alteryxを導入したAGC(旧旭硝子)の化学品カンパニーは、国内外23社、従業員数約8300人で15の国と地域で事業を展開している。AGCはグループの中期経営戦略「AGC plus-2023」で掲げた目標の1つに「DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速による競争力の強化」を掲げている。
AGC 化学品カンパニーのスマート化推進室は「見える化」「わかる化」「変わる化」の3段階で「課題を把握しているビジネス部門が主体になって」(AGC 化学品カンパニー 戦略本部 スマート化推進室 技術企画グループ 安井泰観氏)改革を推し進めてきた。
成果の1つがデータ加工・集計にAlteryxを用いた「CHAMP(CHemical plant Acquisition Method of Process data:チャンプ)プロジェクト」である。CHAMPは工場の各種データを収集して、データ加工・集計、データの可視化という3段階のシステムで構成。入力データが変化してもワークフロー修正で対応し、定期的な自動実行で工場全体の情報を可視化している。
前述の通り、ビジネス部門が基盤構築に取り組んでいるため、IT部門への依存度は10%以下へ低下し、開発費用は従来の外注と比較して80%以上も削減したと説明。利用者の要望に対する柔軟な対応や、GUIで構成されたワークフローは他者の理解も容易で開発速度も向上したとしている。
同社は同プロジェクトをデータ分析業務での活用など、利用範囲を拡大させつつある。また、同社が扱う範囲はガラスや化学、電子、セラミックスと多岐にわたる。

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製造時の課題特定からデータ収集・統合、データ分析、考察のPDCAサイクルを回すAGC 化学品カンパニーでは、「これまで個別実施していたデータ収集・統合から分析までの工程をAlteryxで一気通貫」(安井氏)で実現可能だと評価。同社は今後データ活用体制を2021年までに20人、2023年までに100人体制への拡大を目指している。