2つ目のテーマである“アートが注目される理由”について、吉田氏は「差別化が難しい世の中だから。(現代美術家の)村上隆氏とルイヴィトンのコラボレーションは一例だが、アートは上位概念としてブランド構築する機能や集客能力を持っている。アートが持つ応用能力に社会が気付いていなかった」と解説した。

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「現在はTwitterなどを用いて個人がインフルエンサーとして活動している。(今後は)正規雇用(システム)もなくなり、フリーのサラリーマンが増えていくと思う。(自身がサラリーマン時代は)毎日のように『企業の存在意義』を考えていた。アーティストは自身の思考を作品で抽象化する一番の体現者。模倣して大量生産できない(アートに対して)企業もアーティストの能力に注目しているのでは」(松田氏)
3つ目の“オフィスで機能するアート”について松田氏は「企業の理念やブランドを象徴する空間としての意味合いが強まっている」ことを強調。吉田氏は「企業理念を言葉で伝えられる人は少ないが、(オフィスにアートを取り込むことで、)企業の価値観にマッチする人材を採用しやすい」と、導入傾向が強まる理由を解説する。
新谷氏は「人々のクリエイティブを刺激する目的のアート、アーティストを通じて企業の存在や理念を表現できる。これからのオフィスは『作業する場』ではなく『想像する場所』。(アートな)オフィス空間と企業が存在すれば、少しでも前に進める」とトークッションをまとめた。
今回のアート×One-Boコラボモデルは2人のアーティストとアーティスト集団によって、3タイプ9種類のOne-Boを選択できる。
「(書道家・武田双雲氏にオフィスというテーマを持ちかけると)最初は暗い顔して働くことが多い(というイメージがある)と感じていたが、ポジティブなパワーを伝える言葉を選んでもらった」(新谷氏)
「(画家・大橋澪氏タイプは)彼女自身が企業で働いていた体験をお持ちだったので、問題意識を明確に捉えていただいた。インテリアと調和をイメージした5種類を用意する」(吉田氏)
ヘラルボニータイプは「オイルパステルを使って模様を作成した。とある作家さんは模様がつながる迷路のような正方形の作品で、曜日の入り口を開くイメージを描いてもらった」(松田氏)という。