グーグルは6月2日、記者会見を開催。IaaS/PaaS「Google Cloud Platform」(GCP)の新機能として、データ管理の簡素化を支援できるという「Dataplex」、リアルタイムのデータを統合するための「Datastream」、安全かつ容易にデータを共有するための「Analytics Hub」という3つを解説した。
グーグル Google Cloud ソリューション&テクノロジーグループ 技術部長(アナリティクス/機械学習、データベース) 寳野雄太氏
同社 Google Cloud ソリューション&テクノロジーグループ 技術部長 寳野雄太氏は、小売業を例に「BigQueryに売り上げデータを蓄積してレコメンドエンジンを作成することも可能。われわれは顧客のビジネス課題をデータクラウドで解決する」と説明し、常にGCPの進化に努めると語った。
組織内外でデータを容易に共有
米本社が米国時間5月26日に開催した「Data Cloud Summit」で発表された新機能を日本法人はビジネスの課題と交えて解説した。
分散したデータがIT環境のみならず日常業務や経営判断の弊害になることは改めて述べるまでもない。必要な場所にデータを配置するのが、Dataplexである。一言で述べれば各所に点在するデータを統合的に管理し、分析を可能にするデータファブリックサービスだ。
寳野氏はDataplexの有益性について「2つの観点がある」と語り、以下のように強調した。
「1つ目は分析者視点。Dataplexを使えばデータがDWH(データウェアハウス)やデータマートに拡散していても、一元的管理と統合によって分析できる。もう1つはデータ管理者視点。データの格納場所を気にせずアクセス権限やライフサイクル管理を一元的に行える。さらにデータガバナンスの観点でも、データ品質を自動的に検知してアラートを発する機能を用意している」
※クリックすると拡大画像が見られます
リアルタイムデータの複製に関する需要が高まっている。たとえばECサイトならば、在庫情報をリアルタイム分析しなければならない。Datastreamについて寳野氏は次のように語った。
「1時間に1回程度の同期ではリアルタイムという要件を満たせない。また、ECサイトへの過度なリクエスト増に対してはマイクロサービスと読み取り専用のDB(データベース)にオフロードすることで、商品購入のトランザクション保護を顧客から要望をいただいている」