欧州の大手テクノロジー投資会社Prosusは現地時間6月2日、米国に拠点を置くStack Overflowをおよそ18億ドル(約2000億円)で買収する契約を締結したと発表した。Prosusにとって、中国市場以外に投資を分散させる動きとなりそうだ。
Stack Overflowは、開発者や技術者のグローバルなコミュニティー向けのナレッジ共有プラットフォームだ。ソフトウェアエンジニアらが質問と回答を共有するナレッジコミュニティーを無償で提供するほか、「Stack Overflow for Teams」などの企業向けサービスも手がけている。
Prosusは、中国のインターネット大手である騰訊(テンセント)の株式をおよそ2000億ドル(約21兆円)相当保有している。4月には保有株の一部を売却し、150億ドル(約1兆6000億円)近くを得ている。
これによりテンセントの持ち株比率が30.9%から28.9%に引き下げられた。また、ProsusによるStack Overflowの買収は、同社が今後、中国やテンセント以外のより優れた長期的な投資機会を視野に入れていることを示しているといえそうだ。
また、大企業が在宅勤務のポリシーや、さまざまな場所に分散するチームをサポートするようになっている状況を反映している側面もあるようだ。ProsusのEdTech担当最高経営責任者(CEO)Larry Illg氏は、「私たちが未来の職場における学習にますますフォーカスするようになる中、Stack OverflowをProsusファミリーに迎える」とし、「どのような学習も質問から始まるものであり、彼らのプラットフォームは、仕事に関して質問したい状況にあるグローバルな開発者にとって非常に重要だ」とコメントした。「私たちのほかの教育プラットフォームを通して彼らのコミュニティーとのつながりを深め、一層学習のニーズに対応できる機会となる」
Prosusは、ブラジルのソフトウェア企業Movileや大手食品配送プラットフォームiFoodをはじめとするさまざまなテクノロジー企業に投資している。
買収は当局の承認などを経て、2021年第3四半期に完了する見通しだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。