アストラゼネカは、間質性肺疾患(ILD)の発症を予測するモデル構築に向けた探索的試験を6月から実施している。同試験は、2022年12月まで行う予定だという。
日本で肺がん治療などに利用されるイミフィンジを投与している切除不能なステージIIIの非小細胞肺がん患者150人を対象に、将来的なグレード2以上のILD発症や疾患の進行状態を機械学習で予測可能であるかを検証する。
(出典:アストラゼネカ)
ウェアラブルデバイスなどを用いて収集したデータを基に初期症状のILDを早期に検出することで、将来的にILDが重症化する前に適切な医療サービスを受けることができる環境の創出を目指す。
テクノロジー事業を行う企業クォンタムオペレーションによるウェアラブルデバイスで血中酸素飽和度、呼吸、脈拍数を測定し、ResApp Healthで咳の回数を測定できるアプリも活用する。AI(人工知能)モデル開発(ILD発症予測モデル開発)は、医療に特化したIT企業エムスリーが担当する。
ILDが重症化すると、患者は現行の治療の休止や中断を余儀なくされることがあるため、早期の段階でILDを適切に検出もしくは発症を予測し、重症化を防ぐことが治療を継続する上で重要となる。ステージIIIの非小細胞肺がんにおける治療は、治療の進歩で根治を目指せる可能性が高くなってきていることから、患者の治療機会を最大限に維持することが重要だという。