在庫引き当ては連携サービスやプラグインを活用
商品の発注、受注による入出庫のデータを在庫管理アプリに反映させるためには、複数のアプリ間の集計が必須となります。
例えば商品を発注して入庫したら在庫管理アプリの在庫数を増やして、受注したら在庫管理アプリの在庫数を減らして…というのを、手動で行わなければいけません。
これでは手間がかかりますし、ミスが発生しやすくなってしまいますよね。
そこで登場するのが、kintoneの機能をさらにパワーアップさせてくれる「連携サービス」です。
在庫管理が実現できる連携サービスは複数存在しますが、今回は「gusuku Customine」を使ったカスタマイズ方法をご紹介します。
gusuku Customineで在庫の引き当てを実装
【商品の発注、入庫時の在庫引き当て】
商品の発注時は、発注管理アプリに発注数量を登録しますが、このとき、gusuku Customineにより、レコード保存時に発注した数量を「有効在庫数」に追加する処理が自動的に実行されます(図3)。
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実際に商品が入庫した時は、発注管理アプリの該当のレコードで、ステータスを「入庫済み」に変更し登録します。するとgusuku Customineにより、発注数量が「実在庫数」に追加されます(図4)。
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【商品の受注や納品時の在庫引き当て】
商品の受注時も発注時と同様の流れになりますが、受注管理アプリに商品の受注数量を登録すると、gusuku Customineにより、レコード保存時に受注した数量を「有効在庫数」から差し引く処理が自動的に実行されます(図5)。
商品の納品時には、受注管理アプリのステータスを「納品済み」にすることで、実在庫数から受注数量が差し引かれます(図6)。
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このように、発注や受注のタイミングで在庫引当を行うことで、リアルタイムに在庫数が反映できますね。
gusuku Customineのような連携サービスは有料ではありますが、在庫引当が正確に処理できる上、作業時間の削減にもなります。人員のコストを考えると、導入するメリットは充分あるでしょう。
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いかがでしたか? 在庫管理をkintone化することで、いつでも、どこにいても在庫量が正確に把握できます。
また、発注点を決めておくことで、誰でも同じ判断ができるだけでなく、必要な時に在庫がないという事態を防ぐことが可能になるのです。
消費者ニーズの変化や企業の成長に伴い、当然業務も変わっていきます。最初から完成形のシステムを入れるのではなく、業務を改善しながら柔軟に構築できるkintonを活用し、自社に合った在庫管理が実現してみてはいかがでしょうか。
(第11回は7月上旬にて掲載予定)
- 齋藤 瞳(さいとう ひとみ)
- MOVED 業務改善アドバイザー
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福島県のソフトウェア開発会社でプログラマー・SEを経て、ITコーディネータとして中小企業の様々なIT導入を支援。場所にとらわれない生き方、働き方を目指し2019年にMOVEDにジョイン。
現在は働き方デザインチームで業務改善支援、サイボウズ製品研修事業「クラウドユニバーシティ」の運営に携わっている。