TIOBEは毎月、主要なプログラミング言語のランキングを発表している。この毎月のランキングを長期間追跡すると、何らかの理由でプログラミング言語の人気が上下する長期的なトレンドを把握できる。TIOBE指標自体が歴史的なマイルストーンに近づく中で発表された6月のランキングでは、いくつかの大きな変化が見られる。
「C」が12.54%の総合評価を得て首位を維持したが、2020年6月と比較すると、評価が4.65%低下している。11.87%の評価を得た2位の「Python」は、依然としてCの後塵を拝しているが、この1年間で3.48%の上昇を記録している。3位の「Java」は11.74%の評価を獲得したが、2位に君臨していた2020年6月に比べると、4.56%低下している。
TIOBE Softwareの最高経営責任者(CEO)であるPaul Jansen氏は、最新のランキングに関するブログ投稿で、「PythonはTIOBE指標で首位の座を奪おうとしている。現在首位のCとPythonとの差は、わずか0.7%まで縮まった」と述べている。
Jansen氏は投稿の中で、TIOBE指標が7月に「20周年を迎える」と述べ、今後の歴史的なマイルストーンに言及した.
「この20年間で1位になったことのあるプログラミング言語は、CとJavaだけだ。したがって、PythonがもしTIOBE指標で首位の座を奪ったとしたら、それは間違いなく歴史的な瞬間であり、祝う価値のある出来事だ」
2020年6月と比較すると、4位~8位に変動はなく、「C++」「C#」「Visual Basic」「JavaScript」「PHP」の順にランクインした。9位のアセンブリ言語は2.05%の評価を獲得し、14位だった2020年6月から1.09%の増加を記録した。10位は1.88%の評価を得た「SQL」で(2020年6月の指標でも同じ順位だった)、1年前からの上げ幅(0.15%)はそれほど大きくなかった。
上昇中の言語
最新ランキングの11位以下には、興味深い順位の下降と上昇がいくつか見られる。例えば、11位の「Classic Visual Basic」は、1.72%の評価を得ており、2020年6月の指標から順位を8つ上げている。
この1年間で、12位の「Groovy」は順位を19上げ、現在は1.29%の評価を得ている。17位の「Fortran」はこの1年間で順位を20上げ、「Delphi/Object Pascal」は同期間で22位から18位に躍進した。
下降中の言語
2020年6月の指標と比較すると、14位の「R」と16位の「Swift」はそれぞれ順位を5つ下げている。トップ20で前年同月から大きく順位を下げた言語には、ほかに19位の「MATLAB」と20位の「Go」がある。具体的には、MATLABは順位を4つ下げ、Goは順位を8つ落とした。
「21位以下に興味深い動きはほとんどないようだ。2021年6月のランキングでは、『Dart』『Kotlin』『Julia』『Rust』『TypeScript』『Elixir』といった将来有望な言語に大きな変化はなかった」(Jansen氏)
「将来有望な」言語
これらの注目すべき「将来有望な」言語に目を向けると、現在、Dartが29位(0.49%)、Kotlinが34位(0.37%)、Juliaが僅差で35位(0.36%)となっている。Rustは30位(0.47%)、TypeScriptは45位(0.22%)、Elixirは47位(0.22%)だ。
TIOBEは、「Bing」やAmazon、YouTube、Wikipedia、Google、Yahoo、「Baidu」での検索など、さまざまな指標を使用して、これらの月間ランキングを決定している。TIOBEのウェブサイトに完全な指標が掲載されているので、ぜひ閲覧してほしい。
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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。