PwCの新たな調査によると、さまざまな分野のビジネスリーダーとテクノロジーリーダーは、企業が成長する上でクラウドコンピューティングが不可欠なものだという共通認識を持っている。しかし、クラウドへの投資から実質的な価値を実現できていないという回答が半数以上に達した。
PwCはこの調査で、経営幹部がクラウドに関して認識している価値と実現できている価値にギャップが生じている理由や、そのギャップを埋める方法について取り上げている。幹部はその役割により、クラウドコンピューティングで達成したい目標が異なることが明らかになっており、まずは目標について足並みをそろえる必要がありそうだ。
PwC USの副アドバイザリーリーダーJenny Koehler氏は米ZDNetに対し、「クラウドは、多数の組織のデジタルファブリックを変え続けているが、そうした中、私たちの顧客で首尾よくクラウドを活用できているのは、市場で差別化したり、自社業界で価値を引き出したりする機能に、集中的に投資している企業だ」と述べた。「さらにそうした企業は、最適なかたちで成功できるよう、ベースとなるクラウド技術だけでなく、運用モデル、プロセス、エンドユーザーの体験的要素などを含め、包括的なアプローチを取っている」(同氏)
PwCは、初となる「US Cloud Business Survey」を5月上旬に実施した。調査対象者は、金融サービス、テクノロジーおよびメディア・通信、医療、エネルギー、コンシューマー市場、工業製品など6分野の米国における公開企業と非公開企業の経営幹部524人だ。最高情報責任者(CIO)、最高技術責任者(CTO)、最高情報セキュリティ責任者(CISO)などのテクノロジー分野のリーダーのほか、最高執行責任者(COO)、最高財務責任者(CFO)、最高人事責任者(CHRO)、最高リスク責任者(CRO)、取締役など、さまざまな上級管理職の幹部にとって、クラウドがどのような意味を持つのか取り上げた。
調査から、ほとんどの幹部がクラウドに関する意思決定に責任を負っていることが分かった。回答者の74%がクラウド戦略に、70%がクラウド関連の人材やスキルアップの意思決定に関与している。