Google Cloudは米国時間6月17日、新たな仮想マシン(VM)ファミリーを発表した。このVMは、Amazonの「Graviton」チップを使用したVMインスタンスをはじめとする他のプロバイダーのVMと比べて、大規模なクラウドワークロードのパフォーマンスと経済性を大幅に改善できるという。
Google Cloudのインフラ担当バイスプレジデントSachin Gupta氏は、米ZDNetの取材に対して、この新VM「Tau」は「スケールアウトが必要なアプリケーションに対して業界最高のコストパフォーマンスを発揮する」と述べた。
この場合のスケールアウトが必要なアプリケーションには、ソーシャルメディア事業者が運用しているような大規模なインターネットアプリケーションも含まれる。サービス開始時の顧客としてTwitterとSnapのコメントが引用されている。
Tauのインスタンスでは、1インスタンス当たり最大60基の仮想CPUを利用できる。使用されるCPUは、AMDのサーバー用プロセッサーである第3世代「EPYC」(Milan)だ。Google Cloudは既に、第2世代EPYC(Rome)プロセッサーを多くのインスタンスで採用している。Tauのインスタンスは、1仮想CPU当たり最大4GBのメモリーを扱うことができる。
Tauは2021年第3四半期に提供開始予定だ。同社は、価格設定の例として「us-central1での32 vCPU、128GB RAMのVM 1インスタンスのオンデマンド利用1時間につき1.3520ドル」という価格を提示している(価格の詳細についてはGoogleのサイトを参照)。
Googleによれば、Tauのパフォーマンスは、一般的に使用されているプロセッサーベンチマークである「SPECint」で計測した実パフォーマンスで、AmazonのArmベースのGravitonプロセッサーを使用したVMなどの他のサービスと比べて56%高いという。同社はまた、独自に行ったテストでは、価格性能比もAWSなどの他のプロバイダーと比べて42%高かったと主張している(同社の評価方法の詳細も参照できる)。
TauのVMは、Google CloudのE2のインスタンス(VMの最大数32、一般的な利用を想定)と、N2のインスタンス(1インスタンス当たりの仮想CPU最大80基)の間に位置することになると思われる。
同社は、TauのVMは「CPU、メモリー、I/Oなどの組み合わせが、特にスケールアウトが必要な環境で最適に動作するようにチューニングされている」と述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。