Google Cloudは米国時間6月22日、製品に欠陥がないかを検査する新しい製造業向けツール「Visual Inspection AI」の提供を開始した。これは、Googleがターゲットとしている主な産業の1つである、製造業の顧客を獲得するための取り組みの1つだ。
Visual Inspection AIは、自動車、半導体、電子機器などの業界のさまざまなユースケースに対応している。製造業ではこれまで、品質管理にGoogleの汎用AI(人工知能)製品「AutoML」を使用してきたが、Visual Inspection AIでより正確で効率的な検査を行えるという。
Google Cloudの顧客が実施したパイロット試験において、Visual Inspection AIは汎用の機械学習プラットフォームと比べ、人間が手動でラベル付けした画像の数が最大300分の1でも正確なモデルを構築することができた。また検査精度についても、本番環境でのテストで汎用の機械学習を使用した場合と比べて最大で10倍改善した。
Visual Inspection AIは専門知識がなくても使用できる。検査モデルは、工場現場の機械にダウンロードしてエッジで自律的に検査を行わせることができる。またVisual Inspection AIは、Google Cloudのアナリティクス製品や機械学習/AIソリューションと統合されており、得られた検査結果を他のデータソースと組み合わせることもできる。
このツールは、SOTEC、Siemens、GFT、QuantiPhi、京セラ、AccentureなどのGoogle Cloudパートナーが提供している既存の製品と組み合わせて利用できる。
製造業は、公共部門、金融サービス、医療、小売、通信・メディアと並んで、Google Cloudが2019年の成長の鍵を握ると位置付けた6つの業界の1つだ。それ以来、Google Cloudは各業界に関する専門知識を強化するために何人もの役員を採用しており、Siemens、Ford、Renaultなどの製造業の顧客を獲得している。同社は最近調査を実施し、製造業の企業は既に平均でIT経費の36%をAIに対する支出に割り当てているとする調査結果を発表した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。