リコーは、沼津事業所において工場の生産状況を可視化する工場全体生産状況可視化システムを富士通と共同開発した。同システムは6月に事業所内の重合トナーを生産するケミカル工場において本稼動を開始している。
工場全体生産状況可視化システムを活用したリモート工場管理業務イメージ図
同システムは、富士通の工場可視化ソリューション「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA工場最適化ダッシュボード(COLMINA 工場最適化ダッシュボード)」を活用している。
ケミカル工場における生産情報をリアルタイムに収集、加工することで、工場全体の生産状況を可視化し、スマートフォンやタブレットなどと連携することで、いつでもどこでも工場の稼働状況や品質変化が閲覧できる。これにより、設備異常や品質不良防止への対応を迅速に行えるリモート工場管理が可能となる。
重合トナーは、プリンターなどで採用されている鮮明な表現が可能で印刷品質に優れた高機能トナー。これを生産するケミカル工場では、広大な工場敷地内で製品がタンク、配管や加工機内を流れており、外観からは状況が分からない。そのため、設備センサーやサンプリング検査などの情報により製品の状態を把握している。
膨大な設備センサーからの情報に対して、少人数の生産現場の現場作業者で安全に管理、対応していくためには、現場作業者にいかに迅速かつ直観的に工場の稼動状況を伝達し、安全操業と品質確保を実現するかが課題となっていた。また、昨今のコロナ禍で、現場管理者が現場に行けない状況も発生する中、ニューノーマル時代のワークスタイルについても模索していた。
同事業所では今後、現場管理者や現場作業者の管理業務の負担を軽減し、より付加価値の高い業務へ注力していく。また、同システムを今回導入した工場と同様の事業工場へも展開していく予定だ。