KDDIと三菱重工、NECネッツエスアイは、液体でサーバーを冷却する液浸冷却装置を活用し、それらをコンテナーに収容した小型データセンターの実現および国内における2022年度の社会実装を目指して実証実験を開始した。
サーバ冷却装置と小型データセンター
この実証は、3社がそれぞれの強みを持ち寄り、50kVA相当のサーバーと液浸冷却装置を12フィートコンテナーに収容、十分な冷却性能を発揮しながらも、業界最小水準であるPUE1.1以下のエネルギー効率を目指す。PUEは、データセンターのエネルギー効率を測る一般的な指標で、値が小さいほどデータセンターのエネルギー効率が良いとされている。
実証により、データセンターとしての消費電力を約35%削減する見込みで、電力を大量に消費するデータセンターの課題に対応すると同時に、二酸化炭素の排出抑制が期待できる。また、データセンターの置き場所の選択肢が増え、設置環境や条件が大きく緩和すると期待される。これにより既存のデータセンターの処理を補完し、高速かつ遅延の少ないデータ処理を可能にする。高性能で高密度に実装された冷却機構は、より大型のデータセンターにもサーバー実装数の増加やエネルギー消費量の低減といったソリューションを提供できる。
社会実装に向けた課題の洗い出しと解決策の検討では、設置環境での外部影響の評価とともに、製品化時のコスト見積および商品性を検討し、準拠すべき法令・規制の洗い出しと適用に向けた課題解決を施し、国内認可をゴールとする。